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今回は4stジャイロX[TD02]のエンジン脱着方法です。
しなくても良いですが、したらとても便利なエンジン降ろしの方法です。
バイクのエンジン載せ替えなどは私などの素人が聞くと非常にハードルが高く聞こえますが、250cc位までならとても簡単です。ただし注意点もあります。
400cc以上はちょっと重すぎるのでしっかりとクレーンを使用しましょう。
ジャイロキャノピーにしかりジャイロXにしかりボディとエンジンを分離すると、スイングユニットが機能しなくなりボディが倒れるので”安全第一”で作業する必要があります。
クレーンがあると楽ですが今回はクレーンを使わずにしてみました。
もちろんエンジン載せ替えも簡単に出来ますが、FI車の場合は信号カプラーのリセットや覚えさせなど必要でそこは要注意なので私はスロットル横信号カプラーは外しません。
腰下は当然ですが腰上エンジン整備でも作業がとてもしやすくなります。
ちなみにエンジン脱着に関しては、2st・4st関わらずジャイロ三兄弟(キャノピー・X・アップ)の中で”ジャイロX”が一番簡単となり、完全に覚えれば片道15分で終わるという作業です。
余談ですがフレーム構造上一番面倒で工程数増えるのは、圧倒的にしんどいジャイロアップです。
ジャイロX:エンジン降ろし作業手順
リヤーフェンダーとエンジンカバーを外します。
後方から”ジャッキ”を敷いて、”左右リヤータイヤ”を外す。
車体右側:
”ブレーキケーブルホルダー”と”Pロックケーブルホルダー”のボルトを外す。
”カプラー2つ”・”FIホース固定ボルト10mm”・”電装ハーネスクリップ2つ”を外す。
”パーキングロックブレーキレバーケース10mmで3つ”と”ブレーキアジャストナット14mm”で外す。
今回は一番余裕のある”アクセルワイヤー”はそのままで、”ブレーキワイヤー”と”パーキングロックワイヤー”を抜き取る。
車体左側:
”リヤーブレーキケーブルホルダー”のボルトを”10mm”で外す。
右と同じように”ブレーキシューアジャストナット14mm”を外して”左ブレーキワイヤー”を抜く。
車体ボディ側を支える|重要
ボディとエンジンを切りはなすと車体ボディ側が倒れます。
一番良いのは吊り具と支えの二弾方式で「安全第一」です。
慣れるまでやり過ぎて良いのでとにかく安全第一です。
今回は使用しませんでしたが「ホイスト」と「エンジンハンガー」または「ホイールクランプ」を使用すると、一気に楽になりかつ安全性も高まります。
ホイールクランプが一番安価で電力不要なので一回購入するとずっと使用できます。
車体とエンジンの切り離し
車体の”左側”で作業します。
”エンジンマウントハンガー”のナット”17mm”で外します。4つです。
これが必要!
ここのナットは締め付けトルク”66N・m”ですが、初めての場合緩み留め接着剤がついていてかなり固いので”スピンナハンドル”を使用します。
奥まっているので”75mm~100mm”程度のエクステンションバーも必要です。
さらに一つ”ジャッキを追加”(当て部の小さいパンダタイプor油圧)してエンジンを支えます。
エンジンをジャッキ2つで支えるようにします。
※ジャッキを調整しながら負荷の小さい場所を探します。【※動画参照】
あとはハンマーでボルトを押し出してあげます。
これで左側”エンジンマウントハンガープレート”が外れます。
残りのボルトを全て押し出してあげます。
※車体右側から抜いても構いませんが、押し出す方が簡単です。
※エンジンと車体が切り離されてガクンとなるのでケガしないように注意!
あとは車体右側へ回り込み、”エンジンマウントハンガーボルト”を抜きます。
プレートも一緒に外れます。
絶対に落とさないように、”ジャッキ”と”台車”を入れ替えて。
最後に”フューエルインジェクション”の”クイックコネクタ”を外して”フューエルホース”を抜き取ります。
これで180度の範囲内で回転できますので一気に作業がしやすくなります。
正面からエンジンを触れるのは楽チンです。
エンジン載せ替えの場合
エンジン載せ替えの場合は当然全て切り離す必要がありますが、簡単でこの”8個のカプラー”と”アクセルワイヤー”を外すと完全分離して載せ替えが出来ます。
※ただしFI車なので注意が必要で”スロットルボディ横の信号カプラー”を外すとタイミング設定のリセットや再設定(覚えさせ)などが必要なので、トラブルを避ける為私は外しません。
これで4stジャイロX[TD02]のエンジン脱着方法が完了です。
エンジン載せ替えなんかも可能です。
ジャイロX:エンジン取付方法
シンプルに外しの逆手順です。
一点エンジンマウントハンガーボルトとナットの締め付けトルクは”64N・m”です。
※何度も言いますが、簡単ながらもくれぐれも安全第一での作業が必要です。
ジャイロX:エンジン脱着作業で必要な部品・工具等
特殊消耗部品などはありませんので工具のみです。
●幅広ジャッキ(ネジり式タイプ)
ジャイロのエンジン脱着は油圧式ジャッキもしくはパンダジャッキも必要です。
メインは乗せたまま作業が出来るネジり式タイプにしておきましょう。
●油圧ジャッキ
今回の作業では高さ調整用です。
●トルクレンチ|足周り[30~180N・m]
取付時に必要です。
エンジンハンガーボルトのナット締め付けトルクは64N・mとボチボチ強いので足回り用が必要になります。
これはエンジン周り用に高価なトルクレンチを購入いておけば必要無い場合もありますが、足とエンジン周りはトルクの桁と負担が全く異なりますので2つ持っておいた方が工具寿命と精度の狂い的にも良いです。
※一個は持っておくべきスピンナーハンドル
メモ
フレームとエンジンを切り離す場合、コードレスインパクトとかだと固くて外れない事があります。
長ければ長い程、テコの原理で少ない力で固着したナットなどの初動解除ができます。
トラックのタイヤのガチガチナットなんかはこれに単管パイプ挿してするとすんなり初動外しができます。
緩める専用です。(これで締めると締めすぎるので注意)
※「安物で充分」です!が、絶対と言っても良いですが「60cm」以上にしておきましょう。
※使用する場面はあくまで「インパクトレンチでもお手上げ」のナット等の部分ですからね。
by:30cm台のスピンナハンドルがゴミ化してるひろしぱぱより
●スピンナハンドル
ロングスピンナーハンドル ブレイカーバー 640mm ホイールレンチ 差込角 1/2(12.7) タイヤ交換 プーリーボ...
短い30cm台買うくらいならエンジン周りを”締める”ためにその予算でトルクレンチ買った方が良いです。
特殊工具|無くても良いけどあると最高なのがこれ
●ホイールクランプ
エンジンマウントハンガーはら分離したら車体が倒れますのでその支えとなります。下の吊り工具でもOKです。
●電動ホイスト
耐荷重ダブルワイヤーの形で200kgです。
油圧ハンガーと違い長時間吊りが可能となります。
家庭用 電動ウインチ 100V ホイスト 最大400kg 吊り上げ 吊り下げ クレーン ウインチ 電動ホイスト 家庭用...
●エンジンハンガー(バランサー)
バイク整備の場合はエンジンハンガー(バランサー)が必要ですが強度は充分です。
ジャイロX:エンジン脱着作業動画
今回の作業動画です。
エンジンの脱着のうち[脱]動画です。
ジャイロアップを知ってる人にとってはびっくりするほど簡単な作業となります。
ただし、載せ替えはすごく簡単な作業です。