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ベンリィ50 [AA03]

【ベンリィ50】AA03腰上エンジンオーバーホール②|部品の点検・洗浄・交換編

2021年5月16日

今日は前回の続きでHONDAベンリィ50/プロ共通、腰上エンジンオーバーホール②|部品の点検・洗浄・交換編です。

50とプロはやり方は共通ですが部品はサイズが異なりますのでご注意下さい。今回は50のAA03を使用してます。

部品に関しては点検方法と洗浄・交換で総入れ替えしていきますが、点検で摩耗限度などをクリアしていれば再利用は可能ですが、短期間で開ける人以外は基本的に交換する事をお薦めします。

順序は以下の通りで今回は奥から作業していきます。

今回の作業

【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール①|外し方(バラシ)編

【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール②|部品点検・洗浄・交換編 ←今回はココ

【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール③|組立て・完成編

 

①シリンダー周りOH

部品としては、クランク側のシリンダーガスケット、シリンダー側のピストン・ピストンリング・ピストンピン・サークリップ・シリンダーです。

まずはクランク側シリンダーガスケットを「プラスチックヘラ・溶剤リムーバー」を使用して綺麗に剥ぎ取り交換。
※注意:クランクの中に異物が入らないようにウェス等を詰めて作業する事!

 

部品点検方法:[※動画参照]

シリンダーの歪み・内径を測る。

 

ピストンの各部摩耗度・クランクシャフトコンロッド小端部内径を測る。

 

摩耗度をクリアしてれば再利用可能ですが出来るだけ交換するようにしてください。どれか一項目でも使用限度を超えていたら必ず交換です。

 

ピストンリングの組立て方法

ピストンへピストンリングを取り付けします。

注意ポイント

リングには「向き・天地上下・裏表」がありますのでご注意下さい。

トップには刻印「RN」・セカンドには刻印「R」がありますのでそれがヘッド側を向きます。

合い口の向きは、中心から45°~60°づつずらして配置していきます。

上記注意ポイントの事をピストンを吸気(IN)を上・排気(EX)を下にした時、以下の様に配置します。

 

これでピストンリングの取り付けが完了です。

 

最後に油温センサーまで全て洗浄してシリンダー周りOH完了です。

 

 

②シリンダーヘッド周りOH

シリンダーヘッドガスケット・チェーンガイド(下)・シリンダーヘッド・エンジンバルブ・カムシャフト・ロッカーアームがあります。

シリンダーヘッドガスケットは必ず交換、・チェーンガイド(下)は洗浄して破損があれば交換です。

 

シリンダーヘッドの分解方法

エンジンバルブについて

エンジンバルブ部品:「コッタピン・リテーナー・バルブスプリング・ステムシール・エンジンバルブ・シール・クリップ・バルブガイド」があります。

シリンダーヘッドは「バルブスプリングコンプレッサー」を使用してコッタピンを外し、エンジンバルブを外します。
バルブスプリングコンプレッサーの使い方はこちら>>

 

排気側:バルブスプリング×2つ・吸気側:バルブスプリング×1つです。

 

全洗浄方法

必ずO2センサー(排ガスセンサー)は外して洗浄します。
重要:特に排気[EX]ポート側は徹底的に洗浄するとカーボンの塊がごっそり出てくるのと、カーボン噛みの原因の殆どはここが原因です。

 

部品点検方法:[※動画参照]

シリンダーヘッドの歪み・バルブガイド、バルブステム、バルブスプリング[IN・EX]の劣化摩耗の測定。

 

エンジンバルブの組立て方法

外しの逆手純ですが注意点として、バルブスプリングの向きに注意して下さい。
※バネ密度が高い方が、バルブヘッド(ステムシール)側です。

 

カムシャフトホルダー・ロッカーアームの点検・分解方法

順序としてロッカーアームから外してから、カムシャフトを外します

M5ボルトを用意して、ホルダーの横からねじ込んでロッカーアームシャフトを抜き取ると、ロッカーアームが外せます。

 

その後にスナップリングを外してカムシャフトを外します。

 

全て外して点検と洗浄してオイル塗布をして組みます。

 

部品点検方法:[※動画参照]

ロッカーアームシャフト摩耗、ロッカーアームシャフト受け穴摩耗、ローラー摩耗、カム山摩耗損傷、カムベアリング損傷の点検。

 

 

③エンジンヘッドカバー(シリンダーヘッドカバー)・他OH

カバー・カムチェーン・スプロケットの点検洗浄ですが基本的には洗浄のみで完了です。
ガスケット類は交換して下さい。

 

あとはカムチェーンテンショナー内の「ロックスプリング」が生きていることの点検。

 

他は洗浄して全て完了です。

 

これでHONDAベンリィ50/プロ共通の腰上エンジン部品の全点検・洗浄部品交換が完了です。

 

次回はこれらを車体へ取り付けしていきますのでその手順方法と、エンジンを車体フレームへ載せて元通りにするまでの方法です。

 

 

【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール②|部品の点検・洗浄・交換で必要な部品・工具類

今回使用してる車体バイクはAA03ですので他の方はご注意下さい。

部品類:

●シリンダーガスケット

純正番号:12191-GFC-772

 

●ピストンリングセット

純正番号:13011-GFC-770

 

●ピン ピストン

純正番号:13111-GFC-900

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●ピストン

純正番号:13101-GGM-900

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●サークリップ

純正番号:13115-GGM-900

 

●シリンダーヘッドガスケット

純正番号:12251-GFC-771

 

●バルブ エキゾースト[EX:排気]

純正番号:14721-GGM-900

 

●バルブ インレット[IN:吸気]

純正番号:14711-GGM-900

 

●ステムシール[IN/EX]

純正番号:12209-GB4-681(2)

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工具類:

●ガスケットリムーバー[溶剤]

カーボン落としにも使用できます。
ガスケット剥ぎはめちゃくちゃ楽になりますが、強力なので手に付かないように注意。

もちろん当サイト御用達の”エンジンコンディショナー”でもOKですが、泡の粘度と吸着率と強力性は圧倒的にワコーズのこちら。
ただし”ワコーズRMV”の方が金額が上がるので頻繁に使用するカーボン落としでは使用せず、ガスケットでしか利用してません(ひろしぱぱの場合)

 

●ガスケットリムーバー[スクレーパー]

溶剤を使わない場合はかなり大変ですが傷つけないようにお気を付けを。
全く無傷は溶剤なしには不可能に近いですがどちらにせよ必須です。

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●エンジンコンディショナー

全てのカーボン除去にはこの泡タイプでは最安値の呉工業エンジンコンディショナーを使用してます。仕上げの洗い流しは安物のパーツクリーナーでします。

 

●ホールブラシ

これも必ず要りますが、クランクなどアルミ合金に対してはナイロンタイプの物が良いです。マフラーの中などスチールに対しては金属タイプが良いです。

 

 

【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール②|部品の点検・洗浄・交換編:作業動画

今回のベンリィ50の腰上エンジンOH②の作業動画です。

 

これで気持ち良くまた乗る事が出来ますね♪
洗浄作業には強い溶剤もありますので換気の徹底をお忘れなく!
ひろし整備人
ひろし整備人

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