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今回はHONDAベンリィ50/プロ共通の腰上エンジンオーバーホール(OH)①前準備・バラシ編です。
やり方は全く同じですが、部品は50とプロ異なる物あるので注意、使用するのはAA03型の50の方です。
ベンリィの腰上は焼き付きに強いと言われているスーパーカブの仕様と殆ど同じで、ガスケットなどに関してはFi車のトゥデイAF67と共通のものが多いです。
プロに関しては郵政も取り入れてるのですがスペックで見るとヤマハギアの後発だけあって対抗してます。
ヤマハギアは名車レベルなのですが如何せん修理しにくいので、その辺ではベンリィはおすすめですね。
自分で出来ればずっと付き合えるくらい壊れにくいかなと実感してますし、空冷なので簡単、そして同じ50CCでもトゥデイAF67を単車にしたような安定感があります。
もちろん同排気量でもトゥデイよりもトルクもスピード感も安定感もあります。価格が倍以上なので当然ですが。
腰上エンジン部分ですのでOHの作業内容はこの通りとなります。
腰上エンジン部分
- シリンダーヘッドカバー(エンジンカバー)
- シリンダーヘッド
(ロッカーアーム・カムシャフト・カムスプロケット・カムチェーンテンショナー・エンジンバルブ・オイルサーモセンサー・排ガスセンサー) - シリンダー
(ピストン・ピストンリング・ピストンピン)
これらの点検と交換方法です。
まずはバラシの作業が必要ですので順序建てていきます。
今回の作業
①【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール①|外し方(バラシ)編 ←今回はココ
での今回は①番です。
①エンジン脱着方法
まずはエンジンのフレームからエンジンを分離させます。
これに関してはエンジンの向きを変えるだけでも構いませんので作業のしやすい環境にしてあげます。
こちらを参照
チェック:ベンリィエンジン脱着方法
-
【ベンリィ50】エンジン脱着方法|バイク整備の基本のエンジン降ろし・載せが超簡単!!
続きを見る
②エキゾーストマフラーを外す。
マフラーを外さないとエンジンカバーを外す事が出来ませんので必ず外します。[※動画参照]
②エンジンカバーの外し方
一つだけ面倒なボルトがあります。
①「フライホイール空冷ファンカバー」・②「エンジンカバー下」・③「エンジンカバー上」の順番で3つを外してあげます。
ファンカバーは何の問題もなく外せます。
※エンジンカバー(下)を外すときの注意点
このクネクネジョイントがない場合、手持ちの工具によっては駆動系側のケースも外す必要が有る場合もあります。
※エンジンカバー(上)を外すときの注意点
O2(排ガス)センサーと油温センサーを外す必要がありますが、特にO2センサーはデリケートとなってますので取扱い注意。
※1/2回転以上キャップを回さない事・エアホールを触らない事
上側はインジェクタナットを10mmで2つ外すのみで対応できます。(コネクタパイプやフューエルインジェクション単体を外す必要無し)
これで前準備完了です。
腰上エンジンのバラシ方
①シリンダーヘッドカバーを外す
10mmでシリンダーヘッドカバーボルトを2つ外す。
②圧縮上死点へセット
4stエンジン整備の基本圧縮上死点へセットします。
ご飯食べる時に「頂きます」・寝る時に「おやすみ」というように整備の時にセットする基本です。
チェック:圧縮上死点とは
-
【圧縮上死点の出し方】4stバイクのエンジン整備メンテナンスの必須条件|排気上死点と圧縮上死点の違い
続きを見る
特にDIYレベルの人は、組み上げの時の話と言わず、バラシの時からきちんとしておくことを強くお勧めします。
注意ポイント
まずはフライホイールの刻印「T」をクランクケース切欠きに合わせる。
タイミングライトで調べる時は「F」を見る。
HONDAベンリィの圧縮上死点時のスプロケットの刻印は、HONDAトゥデイAF61/AF67と向きが逆ですので思い込みに注意!
※注意:ベンリィは「1」が上側・「2」が下側です。
③シリンダーヘッドを外す
多少順序不同です。
まずエンジン上からみてカムチェーンテンショナーの2つのボルトを10mmで外す。
テンショナーを外すと、カムスプロケットを外す事が出来ますので、フライホイールを押さえながら8mmでボルトを外します。
チェーンを広げながらカムスプロケットを抜き取ります。
金色のエンジンナット4つを12mmで外して。
正面右側奥にあるシリンダーヘッド固定ボルトを2本を10mmで外します。
これでシリンダーヘッド抜取りが完了です。
※固着してる場合は、プラハンで軽くコンコンして下さい。
④シリンダー・ピストンを外す
シリンダーヘッドを外してるので、そのままシリンダーをゆっくりと慎重に抜き取ります。
最後にピストンが残りますので、サークリップを外して。
最後にピストンピンを抜いて、ピストンを外します。
※注意:ピンが熱膨張して抜けない場合、ハンマーを入れる必要が有りますがクランクシャフトが曲がる原因にもなりますので重々注意して下さい。[※動画参照]
これで腰上エンジン全バラシ作業が完了です。
次回は腰上エンジンオーバーホール②:部品の点検・洗浄・交換編となります。
腰上エンジンオーバーホール①|バラシ編で必要な部品類・工具等
部品類:
バラシだけですので部品類はありません。
工具類:
今回バラシ作業においての特殊工具は必要ありませんが、動画でも言ってますようにユニバーサルジョイントがあると「エンジンカバー(上)」で最小工程数で楽に作業が出来ます。
●ユニバーサルジョイント
【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール①|外し方(バラシ)編:作業動画
今回の作業動画です。
腰上エンジンオーバーホール-①バラシ編となります。
腰痛の為(^^;)トホホ~作業台でしてますが、いつもは地面でしてます。
※地面でする人は砂汚れなどにご注意下さい!