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従業員さんのトゥデイAF67ですが、なんと先月4月にエンジンオイルを入れて、5月14日の今日にはメモリの下まで無くなっているという現象が起きました。
これは異常すぎますので壊れてます。
オイルを入れて満タンにして緊急対応をしています。※オイル漏れ添加剤でもOK。
情報は多い方が良いので、詳しく聞くと以下のことが分かりました。
聞き取り情報
- オイル交換はHONDAディーラー。(前々回は半年前・前回は1か月前)
- 購入して8年、一度もエンジン点検は無し。
- 4/5にオイルを入れて5/14には空。
- 最近2回ほど車体がこけた。
- 家の駐車場にはオイル漏れ跡は無し。
- ”走行における不具合”は、2回ほど「運転中にエンジンが止まった」という事。
ということです。
必ず原因はどこかにあります。
ここまでのスピードでオイルが無くなるのは重大な異常です。間違いありません。
漏れているとしか考えられませんが駐車場に漏れの跡が無いという情報を信じて考えてみます。
今回は時間が無いので次回またエンストしたら持ってきて下さいと伝えています。
エンジンオイルが一か月で無くなる原因を考える
”オイルは漏れてない”のにオイルが無くなるというパターンで考えられる原因は燃焼です。
2stのようにガスケットやピストンリングの変形などが原因でエンジン内のオイルが逆流してピストンの上にきて燃焼されているのか。
エンジンを開けてみないと分かりませんが”漏れてない”のを信じるならそれしかありません。可能性を潰していくだけです。
2stの場合と4stの場合のオイルの違い
- 2stバイク:
エンジンギア内を循環させるエンジン(ギア)オイルとは別に、燃焼オイルをガソリンと一緒に燃焼させて爆発を起こしてピストンを動かす。 - 4stバイク:
燃焼オイルを使用しないので、エンジンオイルはエンジン内のみで”循環し続ける”ので減る事は少ない。(※ただし一切交換しなければいつかは絶対無くなります。)
つまり正常な4stバイクにおいてオイル交換は「汚れた時」・「多少減った時」しかありません。
ごくまれに4stバイクはオイル減らないから気にしなくて良いよというのを見ますが、4st出始めのAF61の廃車原因No1はオイル切れによる金属焼け・固着・消耗による不動です。そう「いつかはオイルは無くなる事を現実が言っています。」
今回のように一か月で無くなる場合は重症の異常です。
原因は以下の2つ以外は考えられません。
- ガスケットからの漏れ
ガスケットの劣化などでオイル漏れが発生。駐車場に漏れ跡が残る。
※注意:クランク側のリアシャフトあたりのシールからのもれも可能性有り。この場合駐車場に跡が残らない時あり。(代わりにクランクケース内に溜まってます) - エンジン上がり(下がり)
4stは通常はエンジンオイルは燃焼室には入らないが、燃焼室に混入してしまう現象
これ以外はあり得ないはずです。
絞って行くとやる事は限られます。
ある程度断定しないと進めないので断定して対処します。
それでも治らない場合はまた別です。
まず、やる事は2つです。
- 腰上エンジンを開けて修理交換(シリンダーヘッド・シリンダー・ピストン)。
駐車場に漏れ跡が無いので必然的にエンジン上がりです。 - そして上記でも書いてますが、クランクケース内の漏れ、およびシール関係も✔チェックします。
どちらかの現象、もしくはどちらも漏れの原因現象が起こっている可能性が90%あります。
この作業で直るはずです。
もちろんすぐに作業するのが一番ですが、パパぱ保育園の迎えなど忙しいので(笑)、スケジュールと段取りなどもありますので調整します。
一旦対処療法で対応する方法がありますので紹介します。
4stオイルの減りが異常に早い場合の応急処置
1カ月で無くなるなんて救急レベルですが人間にはスケジュールというものがありますので応急対処の方法です。
オイル漏れの場合:
まずはオイル漏れの場合は以下の応急処置があります。
- オイルの粘度を上げる
さらさらであればあるほど漏れが早いですので固めのオイルにします。 - 4stオイルの漏れ止め剤を注入する
漏れ止め剤をオイル注入口へ入れます。
オイル漏れが発生している箇所を突き止めて、そこのオイルシールやガスケットなど劣化した部品を交換すれば、オイル漏れは直ります。
エンジン上がり(下がり)の場合:
エンジンオイル上がりやオイル下がりの場合は以下があります。
- 添加剤を注入(4stオイルの漏れ止め剤)
エンジンオイル上がり用の添加剤を入れる。上記オイル漏れと同じ。 - オイルの継ぎ足し
次の修理スケジュールが近く組める場合、減った分入れて修理まで時間をかせぐ。
チェック:オイル上がり・下がり
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とりあえずこれで応急処置で時間がかせげますので早めにバイク屋さんへもって見てもらうか、自分で修理する必要が有ります。
この原因の場合は、ピストンとシリンダーのクリアランス、ピストンリングあたりの破損などが怪しいですので、しっかりメンテが必要です。
特にピストンリングの一つオイルリングがおかしくなっている可能性があります。
怪しい理由は、唯一のオイルと燃焼室の結合部だからです。
各種ガスケットが適正なら、ピストンリングからしか燃焼室へのオイルの侵入ルートはありません。
応急処理に必要なもの
●4st用高粘度オイル
メモ
エンジンオイルに書いてある謎の数値「〇w-〇〇」は 米国自動車協会が決めた粘度の表記。 SAE粘度表示と言います。
基準が無いと固さなど決めれないし分かりませんからね。
今使用してるのが「5-30w」とか寒さに強いサラサラなら「15-50w」など暑さに強い高粘度用へ変更。
どこかで書きましたが、全化学合成油よりも鉱物の方がグレードは低いですが、漏れにくい傾向があります。(安物に多い)
部分合成油などで対応します。熱帯雨林に強いこれ(冗談ですよ)。
※原付レベルの場合、灼熱の夏場は高性能オイルと混ぜて使用できます。
一般では出番ほぼ無いですが、1日中エンジン稼働しているビジネスバイクなんかは重宝します。
カストロール エンジンオイル POWER1 4T 15W-50 1L 二輪車4サイクルエンジン用部分合成油 MA Castrol
●漏れ止め剤
実績もさることながら定番です。
今回は修理スケジュール決めてるのでひろぱぱは使用してません。
修理メンテが一か月以上先になる人なんかはこれ。
という事で応急処置で粘度の高いオイルを追加投入して時間稼ぎします。
あとは週末から来週にでも実際に見てみて修理したいとは思っています。