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今回はHONDAベンリィ50/プロ共通の腰上エンジンオーバーホール(OH)③組立て・完成編です。
やり方は全く同じですが、部品は50とプロ異なる物あるので注意、使用するのはAA03型の50の方です。
前回
今回の作業
①【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール①|外し方(バラシ)編
②【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール②|部品点検・洗浄・交換編
③【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール③|組立て編←今回はココ
今回は最後の③番です。
腰上エンジンを組んで、エンジン載せまでして完了させます。
シリンダー周り取付
部品類は各種エンジンオイルをたっぷりと塗って下さい。【※動画参照】
①:ガスケット装着
クランク側はシリンダーガスケットを装着して完了です。
②:ピストン装着
全オイルを塗る事。吸気側を上にして、クランクシャフトのコンロッドへ置きます。
ピストンピンを挿入して、サークリップで留めます。
サークリップの合い口はピストンの溝からずらしておく。
ノックピン(2つ)を必ず確認して、ピストンリングを抑えながらゆっくりと挿入していく。
カムチェーンを通した後に、最後まできっちり押し込んで念の為、軽く動作確認をして、シリンダー・ピストンの装着完了です。
シリンダーヘッド周り取付
①:チェーンガイド(下)を挿入
ガイドの溝へ必ずハマっている事を確認。
②:シリンダーヘッドガスケット装着
ノックピン2つを必ず確認して、ガスケットを挿入。
③:シリンダーヘッド装着
燃焼室側を除く、全てにオイル塗布、特にスプリング内のステムシール・ステムにはたっぷりと塗って下さい。
チェーンを通しながら、ノックピン2つしっかり挿し込んで完了。
④:カムシャフトホルダー装着
カムシャフトホルダーの「カムシャフト・ロッカーアーム」にもたっぷりとオイル塗布。
ベアリング、カム山、アームシャフト、ローラー、タペット部全てです。
ここもノックピン2つを確認して、吸気側右上はシャフトを回してエンジンスタッドボルトが通る様に調整する。
しっかりと奥まで挿入して、カムシャフトナット(エンジンナット)を12mmで締めます。
メモ
規定締め付けトルク:16N・m
ゴムガスケット(防振・耐震用)をシリンダーヘッドの周りに、向きに注意して装着。
シリンダーヘッドボルトを締める。
その他装着:スプロケット・チェーン・カムシャフトを圧縮上死点で装着
※圧縮上死点について:
バラシの時の状態に組んで下さい。
※ここ間違うと動かないので分からない人は必ず動画参照。
HONDAベンリィはスプロケットの向きは「1」が上で「2」が下です。(トゥデイなんかは逆です)
この時フライホイール側切欠きは「T字」と一致し、かつ、ロッカーアームが動かない(カム山がピストン側向いている)事を確認。
※カムチェーンテンショナーについて:
ガスケットを忘れないようにご注意下さい。圧縮漏れの原因となります。
※バルブクリアランスについて:
ヘッドを閉じる前にタペット(バルブ)クリアランスの調整をしておきます。
メモ
ベンリィAA03のバルブクリアランス:0.2mm[誤差+・-0.02mmまで]
エンジンヘッド(シリンダーヘッドカバー)の装着
シリンダーヘッドカバーのゴムガスケットを溝にきっちりはめ込む。
エンジンカバーボルトのラバーシールには「UP」と書いてる方が上向き。
最後にシリンダーヘッドカバーを12mmかつ、12N・mで締めて完了です。
エンジンガードカバーの装着
ここは元通りに被せて組んであげて下さい。
マフラーの装着
マフラーガスケットは新品に交換して装着。
エンジンを車体フレームへ載せる|(動画へ全手順を載せてます)
当然降ろしの逆手順なだけですが、こちらを参照下さい。
※もしくは今回動画の方ではベンリィの車体フレームへの「エンジン載せ手順」を全て入れてます。
チェック:ベンリィエンジン脱着方法
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車体フレーム側が転倒すると故障・事故に繋がりますので必ず安全第一でクレーン・ホイールクランプなどで絶対に転倒しないようにしてください。
慣れてない人は必須です。
最後に「エンジンオイル忘れないように入れて」エンジンかけてみて下さい。
腰上エンジンオーバーホール①|バラシ編で必要な部品類・工具等
組立て工程ではマフラーのエキゾーストパイプガスケット位ですが、その他部品の点検・洗浄・交換は前回してますので以下参照。
部品類:
●マフラーガスケット
純正番号:18291-GGM-901
新品 ホンダ 純正 バイク 部品 ベンリィ50 ベンリィプロ エキゾーストパイプガスケット 18291-GGM-901 ジョ...
工具類
バラシの場合は必要ありませんが、組立てですので、必ずトルクレンチが必要になってきます。
●トルクレンチ|エンジン周り3/8(9.5mm)【※10nm以下対応品必須】
最近プリセット型トルクレンチに寿命がきましたので、プリセット型から途中トルクの分かるデジタルへ変えました。
※デジタルの良い所は途中トルクがわかる事と金属板曲がりセンサーですので狂いにくい事です。プリセットタイプの良い所は締め付け過ぎしにくい構造ですが、スプリング調整の為デジタルよりもトルク校正メンテナンスが多めに必要です。
●トルクレンチ|足周り[30~180N・m]
取付時に必要です。
エンジンハンガーボルトのナット締め付けトルクは64N・mとボチボチ強いので足回り用が必要になります。
これはエンジン周り用に高価なトルクレンチを購入いておけば必要無い場合もありますが、足とエンジン周りはトルクの桁と負担が全く異なりますので2つ持っておいた方が工具寿命と精度の狂い的にも良いです。
●ホイールクランプ
エンジンマウントハンガーはら分離したら車体が倒れますのでその支えとなります。吊り工具でもOKですが設置場所・電力不要を考えるとホイールクランプが一番費用対効果(コストパフォーマンス)が高いです。
【ベンリィ50/プロ】AA03腰上エンジンオーバーホール①|外し方(バラシ)編:作業動画
今回の作業動画です。
腰上エンジンオーバーホール-③組立て・完成編となります。
※因みにエンジン載せの動画も入っておりますので、エンジンが降ろせても載せれない人はこちらの動画をご参照下さい。
4stバイクは腰上エンジンオーバーホールでかなり調子が良くなります。