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ジャイロさんのスピードが出ません。
エンジンもかかるし、出だしもそこまで悪くないです。
しかしパワー不足の感じで最後の馬力が出ない感じ。
症状としては
- 45km以上からスピードが出ない。
- 出だしは良い。(悪くない)
- 圧縮が少ない気がする。(キックもアクセルも”若干”軽い)
- マフラーは交換済み。
症状としてはこんな感じです。
んんん~間近整備状況など加味するとどう考えても駆動系。。ですが、見ていきたいと思います。
考えられる原因パターン
とりあえずは今思いつく限りだけではですが、
- まずはエンジン始動も問題なく、45kmまでは出るので駆動系は全てチェック。
ベルト、ウェイトローラー、クラッチスプリング、カム。
これが濃厚と思っていますが3か月前整備済。 - キャブレターのメインジェットなどチェック。
- キャブレターのホース類亀裂や外れなどチェック。(特にリードホース)
- 圧縮関係も怪しいのでボルト緩み、エキパイ、マフラーガスケットチェック。
爆音ではないので大きく漏れてはいない。
エンジンはかかるし、セルも一発、キックでもかかるので、あとは駆動系とキャブが濃厚と思います。
が、どれもオーバーホールなど整備して3か月以内であり、かつ整備後は絶好調だったのを踏まえるとスパンが短すぎてありえない。
もちろん組み立てミスなどの可能性もあるので念の為とは思いましたが先に圧縮を測ってみるとまさかのこっち??。。。↓
という事でさっそく圧縮を測ってみました。
※規定は8K必要[HONDA整備マニュアル引用]。
※4stだと9-13Kとか出ますが2stの過剰圧力は焼き付きの原因となるので規定通りにしましょう。
エンジンの圧縮が6Kしかない。。。
これは当初予想の駆動系うんぬんの話ではなく原因は圧縮漏れの方です。
この原因探しが必要で、かつ多分これが原因ですね。
一つづつ確認して「どこから圧縮漏れしているか?」を溜息付きながら早速確認していきます。
圧縮もれのチェック方法
シリンダーからの圧縮で一番影響が大きい部分と整備簿から可能性の高い所から調べていきます。
- シリンダー~エキゾーストパイプ結合部
- エキゾーストパイプ~マフラー結合部
- エンジンボルト
- シリンダーガスケット
- [最後]ピストン・リング・シリンダークリアランス
- インマニ回り・キャブ
- エアー周り・リードホース
- 駆動系側クランクシャフトオイルシール(プーリー裏)
- オイルポンプOリング
などなどです。
目視および音でチェック
まずは異音が無いかと目視で外側から✔していきます。
問題なければ、キャブレター→インマニ・リードバルブ→シリンダーなど部位ごとにつぶしていきます。
どこかに原因は必ずあります。
キャブレターからシリンダーから全てのホース、ボルトをチェックします。
※組む時のガスケットおよび組み方はもちろん有っている”前提”です。
音
音の方は問題ありませんでした。
これと言って異音も無く、部分的に爆音とかもありません。
という事でここはクリアしました。
目視
目視といってももちろんノーズペンチなどでホースなど動かしながら確認です。
しかし見当たりません。。
残りは手で触ってかつ、ボルトなどを締め直すしかありません。
ピストンおよびピストンリングとガスケットも交換したばかりなので、これでも欠点が無い場合の最終がシリンダー穴の経年劣化消耗によるクリアランスの広がりです。
その場合はシリンダー変えれば直ります。
ほぼ毎日乗ってますのでこれで10年プレーヤーバイクです。
頑張ってます。
全てのチェック箇所|箇所ごとに再締め確認作業
各種ボルトなどをトルクレンチなどで全て適正が確認します。
場合によっては年式が年式なので気持ち増し締めします。(超慎重に)
【エンジンシリンダー】
まずは圧縮に直接関係あるエンジン側です。
OHしたときにガスケットを組み忘れたか?
その場合逆に6Kだと圧縮が有りすぎないか。
念のためトルクレンチで再度”10N・m”でエンジンボルトを確認締め。
問題無しでした。
【エキパイ~マフラー】
ガスケット抜けしてないか音と風で確認。
再度締め込み確認でしっかり締まっています。
問題無し。
【キャブレター周りホース類~インマニ】
キャブレターはOHしたので組間違えてない限り問題ありません。
再度上から確認して付間違い、ホース類のひび割れ、インマニ割れ、アクセルワイヤーからオートチョークまで全て確認締め。
全く問題無し。
【エアー周り】
エアボックスとエアダクトチャンバーの継ぎ目なども割れてないかなどしっかり確認。
別バイクですが4stトゥデイの時はエアボックスからキャブのホースがひび割れて速度が出なかった経験があるのでこの辺も念入りにチェック。
問題無し。
【クランクケース内】
駆動系の左側クランクケース内のドライブフェース(プーリー)裏のオイルシールです。
ここが抜けてたら圧縮は落ちます。
が、前回オイルシールチェックしてますので問題無し。
ちなみにここが抜けると6Kの圧縮すら当然出ませんので原因から除外。
ん~全く変わりなし。
いや、もう確認するところないよ~こりゃシリンダー交換だな。っと思ってふっと下見るとアイヤ~(;'∀')オイルポンプ忘れてました。💦
【オイルポンプ】
んっ!?手で触るとグラグラ揺れます。
えっ!??💦
お前か!!お前しかないぞ原因は!?
オイルポンプ自体はかれこれ5年は触ってません。
以前触った時は、腰下を割ってクランクベアリングの交換をした時です。
メジャーな話ながらそういえばここはジャイロ三兄弟すべてにおいて、中のシール及び外気遮断用パッキン共に持病的に弱るの忘れてました。
という事でみてみるとオイルポンプがグラグラ~(;'∀')。汗タラ~です。
これは中のシール脱落ではなく、軸に巻いてある外気遮断用の200℃耐熱Oリングパッキンのせいじゃないか。
このO-リングパッキンが劣化してスキマ出来たりしたらクランクとオイルポンプの外気遮断場所なのでもちろん圧縮は落ちます。
横から見るとこれは”オイルポンプ”と”ポンプカバー”の結合部ですが、浮いていました。
ドイヒ~(;´Д`)
という事でオイルポンプを抜いてO-リングの交換です。
非常に重要ポイントでこいつの2stジャイロのオイルポンプの情弱性を忘れてました。
チェック:オイルポンプ
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下から”8mmボルト”を抜いてオイルポンプを抜くとOリングが外せます。
注意!
エアー抜きしたくない人はシャフトは抜かないように。抜けたら必ずしときましょう。
写真の角度でしょうか上が新品、下が古いOリングです。伸びてません!?
良く5年も頑張った!もちろんついでに交換です。
ポンプシャフト内のオイルシールは漏れは起してませんのでそのまま続行です。
交換方法も上のリンクに世界一わかりやすく書いてます。
ついでにエアー抜き方法も世界一わかりやすく書いてます。
で、先ほど横から覗いた時に5mmの隙間があると書いてましたよね。
そこはねじが切ってあるのでボルトできちんと留めます。
”バッテリーのボルト”が長さ太さともにドンピシャでした。
これで隙間が無くなります。
これはポンプとポンプカバーの接合部です。(これはポンプとクランクとの接合部ではない)
ここをきちんとしておけば、金属カバーが変形してない限り、ポンプとクランクとの隙間もピッタリ収まります。
で、ピッタリとなりますが、上から覗くとポンプの上側もボルト穴があります。
ここはねじ切ってないし、サービスマニュアルでも留まってませんので留めなくて良いのですが、”絶対にボルト留めしておいた方が良いです”。
エキパイをシリンダーに付ける前にしておくと簡単です。
ということでこれで完了です。
さて、肝心なのは圧縮の力の確認です。
はやる気持ちを抑えながら抜かりは無いかチェックしてあとは「キック」「キック」「キ~ック」
バシ~~~~~~~~~っとマニュアル通りの8Kで完了♪
思わずヨッシャと叫びます。
という事で走って確認してきましたが完全に54km/時程度まで伸びました。
これにて修理完了です。
圧縮確認工具
●圧縮ゲージ|コンプレッションテスター
DIY程度なら、安物でも目安基準にさえなれば良いと思います。
プラグ径によってはハマらないのもあるのでその場合はアダプタ等は売ってますので一つは持っておくと便利です。
【ジャイロUP】症状別:45km以上のスピードが出ない|オイルポンプ圧縮漏れの原因修理作業動画
今回の修理作業動画です。
症状としては45km/時までは出るけどそれ以降が伸びない。
誰もが駆動系と思う所、整備ミスor振動でのボルト脱落によるオイルポンプ圧縮漏れ。