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今回は症状別修理です。
2stバイクの場合は白煙は付き物ですが、もちろんその限度はあります。
そして煙にも種類があり、その煙の種類・匂い・音・プラグの状況によって車体の状態を判断していきます。
パターンを色々組み合わせると数十通りもの原因方法などがありますが、こういう時こそシンプルに考えて対処していきましょう。
ちなみにこれ位出ていたら「一発アウト」です。
それでは修理していきます。
2stバイクの煙の種類|白煙・黒煙・正常白煙の違い
一概に煙といっても種類があるので大雑把には以下です。
黒煙:オイル・カーボン
- 燃料過多orオイル過小:混合比がガソリンの方が高い
症状などは黒煙を吹き、プラグがガソリンで被りエンジンがかかりにくいなど有ります。
マフラー詰まりとエアエレメントの汚れ詰まりも可能性で多いパターンの現象です。
もちろんキャブレターの燃調狂いもあります。
白煙:オイル・カーボン
- オイル過多or燃料過小:混合比がオイルの方が高い
焼き付き防止の為にオイルが多いのは良い事ですが当然限度があります。
症状としてはオイルでのプラグ被り、マフラー詰まり・エアー過多などがあります。
こちらも燃調狂いなのでもちろんキャブレター確認必須です。
白煙(薄くすぐ消える)
- 正常状態
2stバイクにおける正常な煙は「薄い白煙」です。
濃ゆく見える場合でも気温差における水蒸気系の場合は気にする必要はありません。
判断は空気中ですぐに消えるかずっと残っているかで見分けがつきます。
2stバイクの大量白煙の修理
私の経験上大まかに「オイルポンプ」・「マフラー」・「キャブレター(チョーク含む)」の3点です。
あとはエアエレメントの詰まりなどはありますが、大袈裟上記3点を新品にしてしまえばだいたい直ります。
ただ新品でもキャブレターは燃調合わせは必要ですのでその方法です。
全てにおいて一番にする基礎・プラグを見てみます。
完全に湿ってますね、こんがり焼けもなく薄青色のオイルの方の被り気味です。(古い場合は要交換)
メモ
匂いでもガソリン過多なのかオイル過多なのか判断つきます。
情報は全て拾います。
オイルポンプ
黒煙白煙どちらであれ、まずはオイルポンプの確認。
ボアアップしていない限りは増量せずスロットルを回さない状態で伸びているのが正しい位置です。
キャブレターのニードルやジェット類変更している人は調整が必要です。
※メーカー側で焼き付かないように最初から若干濃ゆ目に設定されています。
エアエレメント
空気・燃料・オイルの混合比で爆発を起こし排出するのでこの空気を一部司る部分です。
汚れが無いか?フィルターが破けてないか?AFコントローラーは生きているか?の確認をします。
マフラー
補修用の新品を一つ持っていると判断材料になりますので予備の新品に交換などして燃調を合わせていきます。
面倒な人は交換・時間ある人は清掃しましょう。
キャブレター(チョーク含む)
キャブレターで空気・燃料・オイルを合わせて排出しますので当然一番大事な部分です。
綺麗にオーバーホールして調整が必要です。
こちらでキャブレターのオーバーホールを書いています。
チェック:ジャイロUPキャブレターOH
-
【ジャイロUP】キャブレターオーバーホールの方法①|外し方
続きを見る
その中でも煙における症状特に大事なのは以下
ジェット類:
スロージェット・パイロットジェット共に貫通作業します。
ここが詰まっているとガソリンガうまく排出されずオイル過多となり今回のような白煙にもなります。
逆にジェット類は大丈夫でもオイルポンプ不良だとガソリンばかり出て黒煙に繋がります。
エアスクリュー:
まさに一番大事とも言えます混合空気要請の9割を司る部分です。
D字型パイロットスクリューで空気量の調整をします。
注意ポイント
ジャイロアップは全て締め込んだ状態から1:3/8戻しです。【※動画参照】
オートチョーク:
ジャイロやジョグのオートチョークは燃調狂いで有名です。
非常によく壊れますがその確認をして壊れていれば交換します【※動画参照】
ジャイロとトゥデイの生きてるチョークと死んでいるチョークです。
それくらい良く壊れますね。
基本的に上記の作業をすれば直ります。
ただし部品というより、チューブに亀裂やボルト緩み等が原因でエアーを大量に吸い込み混合比が来るって大量の煙を出す場合なんかも色々ありますので注意が必要です。
やはり基本に忠実に丁寧に作業していけば確実に直ります。(経験上治らなかった事は無し)
最後の燃調合わせ
エアスクリューも本来は車体へ取り付けてエンジンを掛けた状態でする方が良いですが、純正の場合はキャブをオーバーホールした際でもどちらでも構いません。
アイドリング回転数だけはエンジンを掛ける必要があるので確実に最後です。
キャブレターを横から覗くと以下「アイドルスクリュー」で調整します。
メモ
ジャイロアップの規定回転数
1800rpm(+・-100)
=1700~1900の間です。
※注意点:
①オートチョークが落ち着いてから作業する
②回転数上下変動が激しい場合はホース類亀裂やボルト緩み等有る場合が多いので再確認。
これで全て完了です。
ジャイロUP:2stバイクの大量白煙の修理に必要な部品・工具類
今回はジャイロUPでの作業となりましたのでジャイロアップの部品となります。
交換したのはオートチョークとエアエレメントのみで他全て洗浄修理です。
部品類:
オートチョーク
純正番号:16046-GM6-710/16046-GM6-711
ま~良く壊れるで有名なこのチョーク今回は社外品で対応しました。
[モーリートレード] オートチョーク dio ジャイロ リード90 hf05 af27 ジャイロx ホンダ トゥデイ af61
エアエレメント
純正番号:17205-GM6-000
ジャイロUPは2stなので湿式フィルターです。
工具類:
●YAMAHAオートループスーパー [半化学合成油]
YAMAHAですがジャイロとの相性抜群の2stオイルです。
一般&ビジネスユースいわゆる「青缶」です。
HONDAジャイロの定番オイルと言えば、YAMAHAですがオートループスーパーです。
ヤマハ(YAMAHA) 二輪車用エンジンオイル オートルーブ スーパー 半合成油 2サイクル用 1L 90793-30121 [HTRC3]
●D型スクリュードライバー
排ガス規制が始まってからの車種のキャブレターエアー調整で必要です。
ジャイロでいう後期型は必要です。
●アイドリングチェッカー(エンジン回転計)
整備する場合、一つは持っておきましょう。
バイクや車に限らず丸ノコやディスクグラインダーなど何でも回転測れます。
原付のアイドリングの場合、2000rpm前後の使用が多いと思いますが、基準値が分からなくても「急に回転数が落ちたり(上がったり)」、「整備した時と不調になってからの回転数が違ったり」、「急に回転数が上がったり(エアーのルート破れ故障キャブ異物混入)」など、または逆に「今回のようにオートチョークの場合落ちないといけないのに落ちない」など感覚ではなく数字で分かるようになります。
ひろしバイクどっとこむの写真のはこれです。
付属のワニクリップでプラグコードを挟むだけです。
2stバイク共通:ジャイロUP大量白煙の修理動画
今回の作業動画です。
無事完治しました。