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今回は有名症状にして最大の弱点、「燃料ポンプの不動」についてとその修理方法を紹介しておきます。
4stヤマハギアの症状別トラブル修理ですが、今回の作業知ってないと遠回りして整備沼にはまります。
有名な症状なのでリコール対象となっているもので、全て4stFi車でのYAMAHA車の「ギア」「JOG」「ビーノ」そして経験上「ベンリィ(HONDA)」でも経験あります。
逆に所有バイクからは、ジャイロX(HONDA)・トゥデイAF67(HONDA)では経験一回もありません。
※ちなみにベンリィは50ではなく、110/PROの方で燃料ポンプの別件リコールが出ています。
ギアは初期は水冷ポンプ漏れも持病でリコール対象でしたが現行車両では改善されてます。
確認方法
キーをonにした時確認出来る、Fi車特有のポンプ作動音「ウィ~ン」の音が弱弱しかったり音がしない事で確認ができます。
さっそく見ていきます。
YAMAHAギア・ビーノ・JOGに起こりやすい急なエンスト
小型4stバイクの宿命エンジンバルブのカーボン噛み症状とも似てますが決定的な違いもありますのでそれを見ていきます。
走行中エンストの起こりやすい状況
まずは消耗劣化による故障を除いた、ギアの燃料ポンプ不動症状が起きやすい共通事項から。
①夏!
②エンジン回しっぱなし!(1~4時間とか)
③坂道高トルク時
④高速多用時
等があり、ビジネス使用や長距離運転使用で多い症状です。
なぜ燃料(フューエル)ポンプの不具合が起きるか?
基本的には熱と言われてます。
熱不具合により燃料ポンプが作動しなくなるという現象です。
したがって、日陰等に停めて30分とかしたら直ってまた走り出す症状です。
この「熱」によりフューエルポンプコンプリートアッセンブリ樹脂が溶けるというYAMAHAサービスページで出ていますが、タンク内ガソリン温度を測ったこと無いので分かりませんがやはりかなり高温になるんでしょうね。
もしくはHONDA車より弱い樹脂なのか?
エンスト症状としては4stエンジンバルブのカーボン噛みとにてますが、エンジン停車して時間空けると直るか直らないかの所に違いがあります。
ですが、他にも原因があります。
ポイント
ヤマハトヨタ系の部品メーカーである愛三工業製ポンプの中国製だけに発生します。もともとチェコ製だったのですが、中国製になってから不具合が出始めました。
チェコ製時代はヤマハとピアジオしか採用していなかったのですが、中国製になった頃から世界中のバイクメーカーが採用し始めた事です。
対策としてはポンプ本体がガソリンに浸かっていない状態で長時間運転しないことですが、ポンプ搭載位置がタンク上面の車種ほど対策が難しいですね。
つまりガソリン残量が減ってくるとポンプがつからないので、気中運転になるので燃料供給が追い付かなくなるというのも一つ。
※対策としては常に半分よりは上側にガソリンがあるとこれに関しては防げます(しっかりと燃料にポンプが浸かった状態にする事)、ポンプが上に付いているタイプになりやすいですが、逆にポンプには長さがあるので厳密には、タンクの形状なども関係してきます。
(YAMAHAギア・HONDAベンリィ等。ただしジョグ・ビーノは下ポンプなのでこの症状だけの限りではない)
やはりいずれにせよトータルして共通しているのは中国製のフューエルポンプに原因がある事です。
修理方法:
YAMAHA公式リコールページによると、メーカー指定の対応方法としては燃料ポンプを対策品に交換する事です。
ですが、交換してもまた同じ現象が起こるという声が多い症状です。
したがって樹脂が弱いというよりもっと他に根本の原因があるのかもしれませんので予想はしてみました。[※動画参照]
バイク屋さんも判断が難しいとの事ですので対策品に交換してもなるようならもうお手上げですが、これの交換作業方法に入ります。
ただし一番最新の対策品の場合、今の所不具合も出ていないとの事です。
YAMAHAギア:燃料(フューエル)ポンプAssayの交換方法
注意ポイント
※注意1:作業前に確実にキー(鍵)OFFして、又はバッテリーのマイナス外すか、バッテリー外して作業して下さい。
※参考:JOG・ビーノの場合ガソリンタンク下にポンプが付いてますので、ひっくり返しますので「タンク外しとガソリン抜き等の工程だけ」異なります。
シートを開けて、タンクカバーを外します。
燃料ポンプセンサーカプラーを外します。
燃料ホースキャップとホースジョイントを外します。
燃料ポンプ固定ボルトを8mmで6つ外します。
あとは引っこ抜くだけです。
重々注意
ガソリンタンク丸開けのため火気厳禁・匂い注意・換気絶対条件です。
必ず燃料ポンプを外したら、何かで蓋をして下さい。
これで交換すれば作業完了です。(2万位)
コンプリート品の分解:ポンプだけの交換方法
[※動画参照]
純正では売ってませんのでご注意下さい。
黒・青線のカプラーを抜く。
ポンプ下側の爪を外す。(3つあります)
ポンプのみが外せますので交換。(純正は無し社外のみ2500円位)
※ギアの燃料ポンプ取付についての注意点!
取付は逆手順ですが念のため確認を4点
①:ポンプO-リングの確認。
②:電力カプラーをしっかり奥まで確認。
③:シールの突起をブラケットへ引き上げる。
④:浮きの向きに注意。
YAMAHAギアの燃料ポンプ交換に必要な部品類・工具類
年式により部品番号注意。今回の車両は「UA06J」BX50型です。
部品類:
●コンプリートAssay
純正番号:10B-E3907-00
●ポンプのみ[※社外]
YAMAHAギア:症状別トラブル修理・急なエンストについてと修理作業動画
今回の作業動画です。当たり前ですが、急なエンストでも他にも可能性等は症状から判断して色々ありますのでご注意を。