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今回は4stジャイロX[TD02]の潤滑装置のオーバーホール作業です。
ジャイロX[TD02]の潤滑装置は主として2つです。
潤滑装置
- オイルストレーナ
- オイルポンプ
オイルストレーナはすぐに点検清掃可能ですが、オイルポンプはそうはいきません。
4stジャイロXの”オイルポンプ”に到達するためには”冷却装置”と”ACジェネレーターを外す”必要があります。
ポイント
①:冷却装置の外し方|組み方
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②:ACジェネレーターの外し方|組み方
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まずはオイルストレーナの点検・洗浄・交換方法
ストレーナの取り外し方法
まずは車体左へ周り、”エンジンオイル”を抜きます。
抜かないとオイルビシャ~になります。
チェック✔:ジャイロX-TD02のエンジンオイル
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次に車体右側へ周り”ストレーナキャップ”を外します。”17mm”です。
”ストレーナキャップ”→”スプリング”→”ストレーナ”の順で取り出します。
ストレーナは強くつかんで潰さないように注意。
ここに異物が入ってる場合は、シリンダーや腰下エンジンに良くない事が起きてます。
ストレーナの洗浄方法
シール部分は”ラバープロテクタント”で洗浄して、他金属はパーツクリーナーで洗浄。
ストレーナの取付方法
ストレーナキャップのシール部へエンジンオイルを塗布。
3つを合わせる時”スプリングの向き”は”キャップ側が小さい”。
スプリングがある事と、位置が位置だけに非常に締めにくいですが押さえながら締める。
規定締め付けトルク”20N・m”です。
次にオイルポンプの点検・洗浄・交換方法
オイルポンプの外し方
”ACジェネレーター”までは外してますので、まずは”ステータベース”を外す。
シールからオイル漏れなど有る場合はシール要交換です。
左上(シルバー)がクランクシャフトで、右下(ブラック)がオイルポンプドリブンです。
”オイルポンプシャフト”と”オイルポンプドリブンギア”を一緒に引っこ抜く。
シャフトやボルトがクランクへ落ちると地獄の作業となるので詰め物をします。
”10mm”でオイルポンプボルト2つを外します。
取り外したオイルポンプ一式を洗浄します。
オイルポンプの洗浄方法
ゴムシール系は一切無いので全てパーツクリーナーで綺麗にするだけです。
”オイルポンプカバー”を外してさらに”オイルポンプをばらして”いきます。
”(+)ドライバー”でスクリューを外します。
”ポンプカバー”を外すと、”アウタロータ”と”インナロータ”が出てきますのでこれも外します。
全て”パーツクリーナー”で洗浄します。
全てピカピカになったら次は再利用できるかの点検です。
オイルポンプの点検方法|摩耗度のチェック✔
どれか一つでも当てはまれば要交換です。
摩耗度の確認点検で使用するのは”シクネスゲージ”です。
まずは”アウタロータとボディの隙間”をチェック。
※「使用限度:0.20mm」
次は”インナロータとアウタロータの隙間”をチェック。
※「使用限度:0.22mm」
最後に”インナロータとアウタロータの隙間”をチェック。
※「使用限度:0.12mm」
これで金属疲労ですり減っていれば交換して完了です。
オイルポンプの組み立て方法
オイルポンプ”ボディの内側”に”エンジンオイル”をたっぷり入れます。
”アウタロータ外側と内側”にもたっぷり塗ります。
”インナロータ外側”にたっぷり塗ります。
しっかり回転させて馴染ませた後、”ポンプカバー”をスクリューで取り付けて完了です。
車体へ取り付けてポンプボルト2本を締める。
次は”オイルポンプドリブンギア”に”オイルポンプシャフト”を装着しておきます。
ポイント
表からみると(-)と刻印があります。
ひっくり返して、ポンプシャフトの「D字凹み部」がこの(-)印側です。
この状態で装着です。
しっかり奥まで押して、軽く回して「D字」が噛んでいるか確認して完了です。
最後はギア周りにエンジンオイルをたっぷり付けて完了です。
”ステーターベース”と”ACジェネレーター配線部分”を一緒にハメて、規定締め付けトルク”10N・m”で4ヶ所のボルトを締めます。
重要
ジャイロの右側ばかりでの作業なので忘れがちですが、”冷却装置を組んで冷却水のエアー抜きをする前に”潤滑装置の作業が終わったら、左に回り込んですぐにエンジンオイルを入れるの忘れないように注意です。
これでジャイロX[TD02]の潤滑装置のオーバーホール全作業が完了です。
あとはACジェネレーター取付けと冷却装置を取付けて、フェンダーカウルを付けて全て出来上がりです。
※ACGと冷却装置の組み方(外し方)リンクは冒頭へ貼り付けています。
【ジャイロX】潤滑装置オーバーホールで必要な部品・工具類
部品類:
●オイルストレーナ|フィルタ
[フィルタ]純正番号:15421-107-000
[スプリング]純正番号:15426-GE1-920
[キャップOリング]純正番号:51996-SA5-800
[ストレーナキャップ]純正番号:12361-035-000
●オイルポンプAssay
純正番号:15100-GET-000
●ポンプシャフト
純正番号:15130-GET-A20
●オイルポンプドリブンギア
純正番号:15133-GET-A20
工具類:
オイルポンプまで到達してしまえば特殊な工具は特に必要なく、ポンプ摩耗点検調査でのシクネスゲージとエンジンオイルだけがあれば充分です。
もちろんトルクレンチは必須です。
●シクネスゲージ
これ量が多すぎて要らないのが多いですが欲しいサイズが1枚足りない時などがありますので注意。なるべく25枚以上ついているタイプにしといたが吉です。
●トルクレンチ 3/8(9.5mm)【※10nm以下対応必須】
絶対必要条件です。
これを使用してますが、正直トルクレンチに関してはもっと精度の良いやつをお薦めします。
10nmトルク以下で対応できる中ではそこまで悪くはありません。
バラシでは必要ありませんが組み立てで必須工具です。
【ジャイロX】潤滑装置オーバーホール作業動画
今回の作業動画です。