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※今回作業はHONDAスクーター(ベルト式)バイクの駆動系共通です。
今日は悪い癖づいた駆動系「プーリー・クラッチ・Vベルト」の正しい組立て手順をしてみました。
読者様に教えて頂いて気づきましたが、ミスした時に一大事になる可能性がありますのでご注意下さい。
サービスマニュアルの写真見るとベルト部分の位置が少し分かりにくいのが原因ではないかなと思ってはいますが。
もちろん確認作業すれば良いのですがぱぱっと終わらせようとして油断するんですよ。
そうなると「クランクシャフトのネジ山・ギア山舐め」を誘発することもあるので重々ご注意下さい。
確認を毎回きっちりすればこの限りではありませんが、結構多いクランクシャフト舐めのコメント。
これを機に確認怠った時でもミスの無いような手順を覚えて二度と起こらないようにしましょう。
ベルト理屈を理解している人や、慣れている人には関係ありませんが整備暦の浅い人ご参照ください。
ホンダスクーター式バイク:駆動系の組立て手順
プーリー側
ベルト切れ破片等、悪さするので確認注意!

プーリー側先に完成させれば絶対ミスりません。

ムーバブルドライブ・ボスを挿入。

ここで向き合わせてVベルトを装着。

ベルトは勝手にムーバブルドライブの外側に広がります。(※重要)

この状態でドライブフェースを装着。
※この状態が正解です。

注意ポイント
サービスマニュアルでは、ベルトがプーリーボスに引っ付いた状態で写真があり、その次にはすぐドライブフェースが装着された写真となっています。
ですので勘違いしやすいですがベルトが後ろから押してくるので、必ずボスから離したあとドライブフェースを装着。

これを勘違いして無理矢理ナットを締めると”クランクシャフトを舐める”可能性がありますので重々ご注意!
クランクシャフト舐めたら最悪腰下まで開ける地獄の作業となります。
スターターラチェットを奥まで挿入。(※大事)

奥までワッシャー挿入。

ナットを手締めで底付きまで締める。

最後はトルクレンチでしっかり本締め。

プーリー側を先に完了させる意味
これでナット本締めまで含めて完全にプーリー側を完了させた状態(ムーバブルドライブ・ボス・ドライブフェース・Vベルト)となります。
私は個人的にはプーリー・クラッチ交互にしますが、この上記手順の方が「ベルトがドライブフェースを押してくることが無いので」圧倒的にクランクシャフト舐めという凡ミスからの最悪の事態を防ぐことが出来ます。
※詳細の意味・理屈・理由は一度で良いので必ず動画をご参照ください。
クラッチ側
あとは簡単です。
クラッチ側が空いてます。

クラッチAssayを広げて。

ベルトを軸(奥)まで押し込みます。

そのままリアアクスルシャフトへ挿入。

クラッチアウターを被せて。

ナットを底付きまで手締め。

最後はホルダーを使用してトルクレンチで締める。

左クランクケースカバー
最後まで油断せずに作業です。
クランクケースカバーガスケット装着。

ノックピンはどのバイクもあるので必須確認。

最後はしっかり手締め・又はトルクレンチで。

ミス無き駆動系の組み方完成
組み上げたあとはキックペダルを踏んできちんと噛んでいるかの確認をお忘れなく。

ホンダスクーター式バイク:駆動系の組立てに必要な部品・工具類
部品類:
今回はホンダスクーター式共通事項手順ですので特定の部品は割愛します。
工具類:
●ユニバーサルホルダー|汎用

当ブログも良く出てきますがこいつは駆動系から電装系・エンジン系までいたるところで活用します。
※クラッチ側で必要です。
●クラッチセンターホルダー|爪タイプ

※ホンダ車の場合は、ドライブフェースがギア型の為プーリー側で必要です。
●トルクレンチ|プリセット型

実際に動画で使用しているものです。
目的のトルクで締める事が可能なオーソドックスなプリセット型で設定トルクで首が折れて知らせてくれます。
●トルクレンチ|デジタル式

実際に動画で使用しているものです。
デジタルは音と数値で知らせてくれて、且つ途中締めながら現在のトルクが判ります。
設定トルクに近づくと警告音・設定トルク到達で完了音が鳴ります。
ホンダスクーター式バイク:駆動系の組立て手順作業動画
今回の作業動画です。




