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中華油圧プレス機が故障しました。
当然のエアー噛みだろうとエアー抜きをしたのですが”スカスカ”の”カスカス”状態。
分解したら何のことはない圧力弁のはめ込み不良でした。
仕組みを理解してないと100%見逃すところでしたが復活です。
良くあるメイドインチャイナ製の中華油圧プレス機での故障です。(厳密には故障ではない)
ジャッキを使用してDIYで造った方が早いんじゃないかという声もありますが、ま~せっかく買ったものですので、直るまでは直して壊れたら作ろう。
という事で早速修理です。
一つづつ潰していきます。
油圧プレス機のスカスカ症状の修理
症状:ポンプピストン部がスカスカ
まずは症状からです。
タイトルとおりポンピングしても「スカスカ」での弱抵抗程度です。
※経年劣化によるエアー噛みや油漏れの場合、力はなくなりますがスカスカまではならずに前もって多少の症状がでますのでオイルを入れたときの組間違いなどが考えれます。
原因:「シリンダー側」か「ポンプ側」かの判断
まずは全体を見渡します。
油漏れがある場合は「そこが圧力漏れの原因箇所」です。
今回は”シリンダー部”も”ポンプ部”も”ホース部”も”メーター周り”も「油漏れ」はありません。
ですのでパッキン系が原因ではない事が判ります。
シリンダー側
シリンダー・メーター周り・ホース関係漏れ無し。OK!
ポンプ側
漏れ無し。OK!漏れが原因ではない場合ポンプ作動が濃厚原因と考えれます。
原因パターン想像
という事で何らかの原因で「ポンプ部がポンプ機能していない」事が原因と判ります。
オイル不足なのか、内部の故障なのか、必要部品が砕けたか、組み込み間違いか。などがあります。
内部故障の場合はしんどい作業になりますが、今回は分解した時のただの組み込み間違いでした。
原因は自分かい(# ゚Д゚)
このラムシリンダーとポンプが離れているタイプはお互いがシンプルなので分解しやすいのも特徴ですが、まずは外側から出来ることからです。
修理方法:リリーススクリューか圧力弁かの判断
リリーススクリュー側
リリーススクリューを緩めて外します。
特に油漏れも無いですが念のためOリング(2つ)の劣化チェック。OK!
中のスチールボールもチェック✔。
注意ポイント
[重要]スチールボールのチェック。
ど真ん中にきちんとスチールボールが入っているか。OK!
オイル交換時に無くしてしまって壊れたと勘違いする人多数。
こちらも問題なく、これでもスカスカなので残りは圧力弁側が原因となります。
直らない場合は内部分解となります。
圧力弁側
結果的には、今回はここ分解掃除したあとの「圧力弁」の組み込み方の間違いでした。
役割としては圧力がかかり過ぎた場合に逃がしたり、圧力調整をするための弁だそうです。
こちらの蓋を外してあげます。この裏にもOリング(ゴムシール)があるので劣化のチェック。
さらに中にネジ弁があるので外します。
スプリングを抑えているこれです。
次にスプリングがあるので、引っ掛けて引っ張り出します。
このスプリングのハメ方に注意が必要だったのが原因です。
”さらに奥”を覗きます。
今回は左の図のように棒が壁に当たっています。
内部にボールに棒状のものが付いた弁がみえますが、これが斜めになっていたらスプリングの穴に綺麗に棒がハマらず圧縮が逃げてアウトです。
この”棒”の部分に”スプリング”がきちんと真ん中に入っている必要がありますが、これが棒の上にスプリングの端が乘ってたりすると圧力は、棒の長さ分全てダダ洩れです。
それはもう「パッキン漏れのレベルでは無く無抵抗レベル」となります。
図が下手くそですが、横からみるとこうなっています。(レバー図は省く)
動くので難しいですが慎重にセンターで棒を止めます。
(海に浮かぶヨットの帆をイメージ:グラグラしますが棒を真ん中で止めます)
そこに慎重にスプリングを落とします。
この上に中弁ねじを入れてしかり締めて。
蓋までしっかり締めて。
最後にリリースバルブを手で締めます。
これでOKです。レバーを押してあげると一気に抵抗が戻っています。
他に外から見える原因は考えれないので圧力は戻ってるはずです。
戻らなければ内部が原因と判断も出来ます。
中華製油圧プレス機のエアー抜き方法
こちらは普通の油圧ジャッキ持ってる人も当たり前に出来る作業なので不要ですがこの中華製タイプは念のため。
エアーが噛んでる場合は、空気誘導の方へ力が持っていかれるので本来の力を発揮できません。
当ブログでは、2stバイクのオイルポンプのエアー抜きの仕方を書いてますがそれと同じで簡単です。ただバイクのオイルはピストン・シリンダーを焼き付かせますので慎重作業ですがこいつは使えないだけなので悪さはしませんが、使えないなら超邪魔な鉄のゴミとなりますので直しましょう。
症状としては、
- 「ピストンが2出て1下がる」
- 「その場で小刻みに上下するだけ」
- 「10tポンプなのに2tまでしか圧力が出ない」
などがあります。
中華製は理論原理は同じでも、”オイルフィリング”が無かったり基本ベースが日本国産と異なっています。
コード式の場合はシリンダーよりポンプを上、もしくは同等にするとやりやすいです。
※①”エアー抜きに関して”は、シリンダーを横にしても構いません。(これで油もれるようならパッキン取付が下手くそもしくは甘いので全てやり直して下さい)
※②”プレス使用時”は逆さは使えませんので必ず通常の置き方で使用。
リリースバルブを緩めて圧力を逃がします。(シリンダーよりポンプが下の場合は全て外さず少し緩めるだけ)
隣の圧力弁の蓋を外します。
圧力弁の中のネジも5mm以内で緩めて圧力を逃がします。
※5mm以上緩めてしまった場合は、このブログを最初からよく読んで下さい。
この奥にあるネジを2回転程度緩める。
ゆっくりシャカシャカシャカシャカと10回程度ジャッキピストンを動かします。
めちゃ溜まってる場合は蓋開けた時点でプシューと出てきます。
シャカシャカするとブクブクとエアーが出てきます。油も出てきますので注意。
中のネジは安全の為危険圧力域で圧を逃がす役割がありますが中華製の場合信用してはダメです。
測定器がないので圧力メーターで自分で判断する必要があります。
残念ながら国産メーカーのように、点検します送って下さいとか見に行きますとか100%ありません。それが中華製自己責任というのを理解しておかなければなりません。
最後に圧力ネジを締めて。(上記書いてるようにスプリングに注意)
リリースバルブを閉めてOKです。
こちらは油圧ジャッキ持ってる人は誰でも出来ると思いますので心配は圧力弁のネジとスプリングの方ですね。
これがないとエンジン腰下やタイヤ周りのベアリングを脱着したり、ブッシュを脱着したりできなくなるので、大変大変となります。
バイク整備に限らず車整備にも必ず必要なプレス機ですが出番がま~少ないので高精度な国産か安価な中華製かで迷いますよね。
ひろしぱぱの油圧プレス機は安価な中華製ですが8年現役です(笑)。
商売人以外はこっちじゃないかと思いますよ。
ただDIYでの金属加工、鉄曲げ、アングル曲げ、コの字曲げなんかでも役に立つので良く使用する人は国産で使用頻度が少ない人は中華製の方が、元とるのも早いと思います。
復活した後はこんな感じです。
油圧プレス圧目安
ほんとは沢山試す予定が時間なく、まずは単管。
4t圧力程度:単管
単管パイプは4tしか必要無くせんべい可能です。
1t”以内”圧力程度:ジョージアエメマン
この辺はマッハですね。
1.5t圧力程度:ジョージアプレミアムブラック蓋つき
ま~バイク整備のベアリングなんかは4t要らないので余裕です。
車種によりますが、車の足回りブッシュ交換などは10t級以上が必要です。
ただ10tレベル以上があると、普通に鉄の曲げ加工や板金修正、または治具によりパイプベンターにしたりなど”DIY遊び”が無限大に広がります(笑)^^
6tの場合でもベアリング挿入程度は出来ますが鉄曲げなどは不可能です。(あと許容ギリギリの場合ポンプがギシギシ言い出して余裕ないと破裂しないかと怖いのもあります。)
平べったい釘やボルトつくったり(笑)、とにかくアイディアで自分で治具やキャリアやフレームなどもつくれますね。
油圧プレス機|10t~
油圧プレスで色々したい場合は10t以上が最低ラインです。
できれば20tが欲しい所ですが使用頻度考えると元が取れる気がしない為10tです。
中華製:油圧プレス機|10t
今回修理したのはこれです。
この安さでこの能力は最高です。
1mm単位精度・実能力数値、細かい事気にする場合は10万以上で国産がベターです。
国産高精度:油圧プレス機|15t
10tが無かったので15tタイプ。天下の高精度高パワー長崎プレス。
アストロプロダクツなどもありますがあれ中華製です。
中華製油圧プレス機の故障・修理作業動画
今回の修理作業の動画です。
高圧力のかかる工具です。くれぐれもケガや事故の無いようにご注意下さい。
※中華製の場合、「無理させ過ぎない事」・「メーターだけ国産に交換して正確な数値に切り替える事」で、ある程度の安全の確保は出来ます。
アイディア次第では溶接機と合わせてフレーム作ったりもできます。