今日は年末の経理などで仕事が忙しい中、趣味の方で急遽バイクの引き上げ連絡です。
何やらえらく金属音がしてギアが外れた感じで、バイクが前に進まなくなったとの事です。
エンジンはかかるそうですがずっと回してるのに進まないとの事で、それ以上エンジン回すのやめといて~と連絡しときました。
そもそもギアではファイナルリダクション以外前進に関係ないので事故が無い限りギアは関係ないです。
何が言いたいかというと、故障の症状を伝える時はより具体的に起きたままを伝える事が大切です。
例:「〇〇kmで坂道もしくは平地を走行中、急に変な音(より具体的に)がしてエンジンはかかったままなのですが、スロットルを回しても前に進みません。」等
今回はベルトなのでこんな感じですが、エンジンの場合の例ですと
例:「昨日まではしっかり走ってました。しかし朝エンジンをかけようとするとかかりません。セルを5回以上してかからないのでキックを10回程しました。少しブルンと振動してかかりそうになったのですがどうしてもかかりません。その時○○の音が少しします。消耗部品交換としては○○を先月10日にして、他に〇〇を最近しました。」等。
症状
- スロットルを回しても前に進まない
- エンジンはかかる
- 金属音がする
もうこれは典型的なVベルト切れの症状なのですが、実際は見てみないと分かりません。
早速引き上げなのですが、症状から通常のスクーター原付とかでしたら、今の症状を聞いて工具持っていって現地で修理できますがジャイロUPは簡単にそうはいきません。
という事で引き揚げです。
ジャイロUPの故障引き上げ
もう症状が予想できますのでかなり気が楽ですね。
一番辛いのは、乗り手の説明が不足している場合と、謎の症状の場合の方が辛いんです。
現地作業出来ない為、引き上げてきました。
このバイクが現地で出来ない理由が以下の状態が必要だからです。
ジャッキが2個あれば出来ますがなかなかの不安定です。
症状見る限りやはりベルト切れですが、実際に開けるとやはりベルト切れです。
ウェイトローラーがムーバブルドライブから出てちりばめられています。
ウェイトローラーが砕けている場合とその理由
これはどのバイクも共通です。
ドライブベルトが切れた状態でエンジンを回し続けていると、ベルトの幅以下分ほどムーバブルドライブがスライド移動してしまいます。
プレートが開くことになるのでその隙間からウェイトローラーがはじけ飛びます。
エンジン回したままスロットルを開ければ開けるほどどんどん砕けていき、続けすぎると金粉巻いたように左クランクの中で散らばります。
本来プーリーボスがありますのでエンジン回しててもシャフトは空回りするのが普通ですがボスがサビてたりムーバブルドライブケースがサビてたりするとベルト無しでも回ったりすることがあります。
なので粉々になってベルトケースクランク内を汚しまくりますのでご注意下さい、ひどい場合は粉々の先ラメ状態でクランク内がキラキラになります。
※社外強化ケブラーベルトなどの場合、綺麗に切れるというよりゴムだけが切れてよくケブラーが絡まりますが、プーリー側でベルトが絡まってムーバブルドライブを抑えたままの場合この現象は起きません。【※詳細は動画参照】
今回の症状別トラブル修理:金属音と共にバイクが前に進まない修理作業動画
今回の症状別トラブル動画です。
この修理の作業方法はこちら
チェック:駆動系ケース到達迄
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今回は運よくスパッと完了です。