ジャイロUP [TA01]

【ジャイロUP】左クランクケース(ベルトケース)の開け方|特殊フレームバイクのエンジンフレームのずらし方

2019年1月31日

この工程は、HONDAジャイロUPの「プーリーウェイトローラー交換・ドライブベルト交換・クラッチシュー交換」など駆動系消耗品を交換する際に必ず必要な工程であり、とても面倒な仕様の原付バイクです。

普通の原付しか乗ったことない人は投げ出すでしょう。

何故かというと、頑丈なスチールフレームがゆえクランクケースの蓋を開けようにもフレームをずらさないと開かない仕様になっているからです。

ホンダマニュアルしていではクレーンで吊り上げての作業推奨ですが、ジャッキのみでも可能です。

その特殊フレームの「ジャイロUPのクランクケースを開けるまで」の方法です。

この辺はジャイロXやキャノピーとは共通では無く、大変なのはジャイロUPのみです。

普段は手工具を奨めますが、ことジャイロに関しては腰をやられるのでインパクトレンチを持ってない人は諦めた方が良いです。

 

ジャイロUPのクランクケースを開ける方法

ジャイロUPは以下の三肯定をして初めてクランケースを開ける事が出来ます。
つまり改造しない限りは必須工程でこれが大変なんです。

  1. 両タイヤホイールを外す。
  2. 荷台・フレームカバーを外す。
  3. フレーム骨を上下広げる。

 

1:両タイヤホイールを外す。

三輪なので両方です。キャップを外す。

 

脱輪防止ピンを外す。

 

24mmホイールロックナットを外す。

 

ジャッキを上げる。

 

タイヤホイールを外す。左右両方です。

 

 

2:荷台・フレームカバーを外す。

まずはスチール荷台の4つのボルトを外します。

 

持ち上げて外します。これで荷台も外れました。

 

フレームカバーを外します。左右とも3か所のボルトを外します。
後ろも外します。10mmで合計8カ所外します。

 

これでフレームカバーも外れますが、後部後部カバーはウィンカー/テールランプのリレーがあるので取っておくと、断線の心配もなく、作業しやすいです。

 

これで「タイヤ・荷台・フレームカバー」が外れた状態になります。

この時点でプラグ、エアーフィルター、キャブレター、マフラー上固定部、オイルポンプなど触れるので整備性は良いように見えますが、駆動系に関してだけは別でここから大変です。

 

 

3:フレーム骨を上下広げる。

後部からもジャッキを入れます。
つまりジャッキを2つ使う必要があります。天井にエンジンクレーンがある人などは1つで出来ますが普通の人は無いでしょう。

 

横から見るとこうなります。

 

両サイドボルト3本外してどろよけを引き抜きます。8mmです。

 

両サイドのブレーキ調整ネジを外して、ブレーキワイヤーを抜きます。

 

フレームボルトを緩めます。17mmです。
外す必要はありません緩めるだけです。これでフレームが上下に開きます。

 

両サイドの上下ショックサスをボルトを外します。上が14mm・下が12mm。
左右なので行ったり来たりですね。
※サスが効いてる状態なのでボルトを外すだけです。

 

次いでエアチャンバボックスを外します。10mmボルト2つです。

 

後ろへ回り込みます。赤〇のボルトを外します。12mmです。

 

さらに下を覗きます。
フレームとエンジンを繋ぐボルトを外します。

 

外し方は、片方にメガネレンチ17mmをボルト頭にかけて、外側片方にインパクト14mmを掛けてナットを回します。
人によってはボルトとナット逆に付ける人もいます。

 

右側も左右対称なので同様です。

 

エンジン自重で抜けにくい場合はゴムハンマーなどで叩いて引っこ抜いて下さい。
これで抜けました。

ボルトを抜いた時、エンジンがガクッと下に落ちてくるのでジャッキをギリギリまで当てておきましょう。

これでフレームが上下に開きますので、ショックサスが緩むので両サイドのサスを外します。

腰が痛いです。

 

これでようやくクランクケースへ到達しました。
横から見てみましょう。これで初めてクランクケースを開ける事ができます。
どうこうではなく、こういう仕様のバイクです。
後部ジャッキを上げて、前部のフレームジャッキを下げれば以下の状態になります。

お疲れさまでした★
あとは通常の原付バイクと全く同じです。

 

 

ジャッキ番外編|安全と作業性アップの為に!

ちなみに不安定で怖い人は車の馬と鉄パイプを使用してフレームへ引っ掛けると安定します。
外でする人なんかはこっちの方が良いかもしれませんね。
ジャッキで上げた時に、写真のようにかますだけです。もしくは力で持ち上げて素早く引っ掛ける事もできます。

 

ガッチリ安定します。

 

 

ジャイロUPのベルトケースを開ける

クランクケースボルトを外していきます。”8mm”です。
一部エアーフィルターボックスと繋がってる所のみ”10mm”です。

異常に多いボルト数ですが長さが違いますので注意。
ただしめんどくさいので一個飛ばしに止める人もいる位です(笑)。念のためきちんとしておきましょう。

 

これでクランクケースが開きます。
固い場合はゴムハンマーで上から下から横からとコンコン振動を与えながら外します。

 

外れました。

これで駆動系をいじる事ができますね。
消耗品の宝庫なので、メンテの度にこの作業をする必要があります。

作業工程数が増えるのでバイク屋に頼むと超高額です。
仕事でも改造して遊びでもジャイロ乗りは「ひろぱぱを除いて」金持ちが多いです。
それくらい金がかかるバイクです。
あと自分でいじれる人が多いのも事実です。
是非自分でしましょう♪ビバジャイロ★

 

 

ジャイロUPのベルトケース開閉に必要な工具

ここまででの必須工具は以下になります。

●幅広ジャッキ(ネジり式タイプ)×2つ

油圧式は原チャではたまにしか使いません。
乗せたまま作業が出来るネジり式タイプにしておきましょう。エンジン降ろしの時にも役立ちます。
※ひろぱぱは一つは幅広ジャッキ・一つは油圧式の2つで作業してます。

 

●電動インパクトレンチ|SI-170W(新型)

エアー工具のエキスパート信濃機販ですが、壊れない!ひろしバイク超おすすめの電動インパクトレンチ。
先っちょの引っ込んだコンパクト大工形状と違い、整備のしやすい突き出し形状です。
エンジンなどにもコンパクトで小回りが効きながら使用出来て、足回りなどにもツインハンマーなので対応出来ます。

※私はSI-160ですが165w→新型170wが現在の新型です。

 

●インパクト用ソケット24mm

ジャイロUPのホイールロックナットは24mmです。
インパクトで使用する場合は鋼鉄のインパクト用じゃないとすぐ割れて砕けるので注意。
ショートの場合運が悪いとホイールナットの場合車種によっては奥まで入らない場合があります。
ディープタイプにしておけば間違いなく大丈夫です。

 

●インパクトソケットアダプター

12.7mm→9.5mmへ変換
バイクはタイヤ足回り以外は9.5mmでないと力が強すぎるのと太くて使いにくい場面ばかりなのでこれが必要です。

 

●8mmディープ(ロング)ソケット

クランクケース用です。
8mmディープはクランクケースに干渉しません。普通ので良いじゃん!と思う人いると思いますが、キャプレター・インマニ・ワイヤー付近・マフラーエンジン側など必要な場面だらけです。8mmボルトの細いボルトを使うということは、細かい場所ばかりで、エンジンキャブレター周辺などです。むしろ普通のショート8mmはバイクでは干渉しまくるので必要ないです。
8mmソケットだけはディープを買っておきましょう。(8mmのみディープ必要場面かなり多い)

 

 

【ジャイロUP】ベルトケースの開け方作業動画

実際にクランクケース到達までの作業動画です。
実に面倒な作業ではありますが、それを上回る仕事をしてくれるビジネスバイクです。

 

三輪は左右同時進行する作業も多いので行ったり来たりと大変です。腰痛に注意して休憩しながら作業しましょう。
ひろし整備人

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