2st・4st関わらずキャブレター車のオートチョーク採用車の場合の仕組みと点検(生死確認)方法です。
これをすることで、死んでいる場合は交換や、生きてる場合は整備時の故障項目から外す判断が出来る用になります。
オートチョークは部類はキャブレターで燃料増量装置となります。
チョーク内の温度計伸縮金属は水冷車のサーモスタッドと同じ原理で温度で動きます。
ただしサーモスタッドのようにエンジン熱で開け閉めするのではなく、通電にて温度判断するように出来ていますのでそこに違いがあります。
完全にバラバラにすると分かりますが、伸縮金属は電気を流さずともヒートガンで伸縮する事も分かります。
参考:オートチョークOH
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基本的にはエンジン始動音とその後の音だけで判断出来ますが、実際にきちんと目で判断する方法です。
オートチョーク不調症状
オートチョークの目的は増量装置ですので、エンジン始動性が悪い人はもちろんですが、キャブレターの一つですので、キャブの症状全ての場合にも疑いがあります。
- エンジン始動が悪い(ニードルが伸びたまま故障)
- 異常に燃費が悪い(ニードルが縮んだまま故障)
- ゴボつく(燃料過多でかぶり)
- 異常白煙・黒煙(オイル過多・燃料過多)
- 低速域・中~高速域もたつき(燃料過多・燃料過小)
等々の症状が起きます。
始動補助装置として、昔はオートチョークではなく手動チョークでしたので乗れる分には気にしなくて良いですが上記のように壊れ方によっては交換が必要です。
それでは作業していきます。
オートチョークの仕組みと故障例
まず仕組みとしては簡単に分かりやすく言うと、通電が起きると熱源が発生し増量装置内側からキャブレターの増量装置側の燃料穴をゆっくり塞いでいきます。
乗り手側の音から言うと、最初はニードルが縮んだままでガソリン増量されてるので「ブォォォォオオオオオ~ン➚」と回転数が高くエンジン始動を補助してます。
数十秒~経つとニードルが伸びて増量ルートからのガソリンルートがふさがっていきますので、一般回転数へ「ブオォォォン➘」と収まりますので、この状態の時にアイドリング回転数調整をしてあげます。
一般的には1800~2000回転辺りが多いです。
通電を除くとサーモスタットと似ていて全く同じ伸縮金属が使用されています。
逆にエンジンを掛けていないと通電がありませんので、ニードルは伸びないままとなり、ガソリンは常に増量されたままとなります。
暖まるまでガソリンが増量される理由は、バイクの始動時のエンジンをかかりやすくするためで、昔は手動もしくはチョークがついてないものがほとんどでした。
オートチョークが採用されたことによって便利になった反面、これによる不具合ももちろん増えてきたのも事実です。
キャブレターと同じで「燃料装置」の部類となりますので当然キャブレター不具合と同じような症状が起こるのが特徴です。
オートチョークの点検方法
電極を間違えないようにお気をつけ下さい。【※動画参照】
テスト配線とバッテリーを用意します。
オートチョーク側のプラス(+)とマイナス(-)を先に繋ぐ。
バッテリーに繋いだと同時に通電開始となります。
5分以内にしっかりと伸びてくることを確認します。
ポイント
そもそもが始動性の為の装置ですので、伸びる時間が長すぎても壊れていますのでご注意下さい。
エンジン始動性が良い場合、本来オートチョークは必要ありません。(昔のカブなどは手動式)
念の為縮みの方も確認します。
バッテリー側の端子からクリップを外してあげます。
縮みに関しての明確な基準時間はわかりませんが、私の場合は5分42秒でした。
目視点検する事で、このオートチョークは「確実に生きている」という事が分かります。
この確定をすることで故障時の整備項目から外す事が可能となります。
もちろん壊れていれば交換すれば故障が直る事も多々あります。
経験上、特に2stバイクはこれで直る事は多々ありますので長い事交換してない人は一度点検しておくことをおすすめします。
オートチョーク点検作業動画
今回の作業動画です。
「オートチョークの外し方」→「テスターによる電極確認作業」→「オートチョーク通電確認」→「取付方法」→「確認」の流れの構成動画です。