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バイク・車のセルモーターのオーバーホール|分解手順と組み立て手順

2019年6月16日

セルモーターのオーバーホールです。

車であれ、大型単車であれ、原付バイクであれ、「部品数・大きさ」が異なるだけで基本のすることは同じです。

今回はトゥデイAF61/67共通の純正セルモーターを使用しての作業です。

セルモーター自体は原因で回転不良を起こしたりしている場合、大まかの不良部分は磁石接触板部分とカーボンブラシの摩耗がほとんどです。

早速分解と清掃組み立てをしていきます一番に導電チェック✓をします。

通電チェックの場所はここ▼

抵抗値(Ω)にセットして、スターターリレーからの接合部(+)とアースボルト部分に(-)を当てて通電を確認する。

 

セルモーターの分解と清掃

セルモーターは「コイルモーター」・「磁石カバー」・「台座(カーボンブラシ部)」で成っています。
一つづつ清掃メンテナンスします。
まずはバラシです。

セルモーターの”ねじ3個”を外します。

 

カバーを外します。
左手がバイクのリレー配線カプラーと接続する側で、右手側が磁石カバーです。中にコイルモーターも磁石で引っ付いてきてます。

 

磁石カバー・コイルモーター・台座

 

 

セル:コイルモーターの清掃

コイルモーターの清掃をします。
カーボンブラシの接合部が黒くなっているのが分かります。
ここが汚れていると電気の通りが悪くなります。

 

パーツクリーナーで脱脂して、研磨剤入りのスポンジでゴシゴシします。

 

ピカピカになります。

 

最後に”クレ226(接点復活剤)”を吹いて完了です。

 

 

セル磁石カバーの清掃

パーツクリーナーでゴムシール部分にかからないように洗浄します。
カーボン石の削れ汚れなどが結構溜まっていますので綺麗にします。
強力な磁石が張り付いていますので綺麗にします。

 

パーツクリーナーで綺麗にした後、”クレ226(接点復活剤)”を吹いて電気の通りを良くしてあげます。
これも拭き取ります。

 

最後にゴムパッキン部分に”ラバープロテクタント(ゴム復活材)”でヒタヒタにして乾かします。

これで磁石カバー部も終わりです。あとは台座の清掃のみです。

 

 

セル台座の清掃

ここまで銅線付近まで削れてたら交換です。

 

台座のネジをはずします。”ねじ2個

 

片方はカーボンブラシと接続されたネジです。

 

もう片方は、平型端子と繋がっていますのでここも外します。”ねじ2個”。
ここを外すと中のプラスチックの型も外れます。

 

これで全て外れました。

ポイント

  • 全ての金属部分には清掃後”クレ226(接点復活剤)”。
  • 全てのパッキン部分には清掃後”ラバープロテクタント(ゴム復活材)”。
    ゴムの方は清掃時”パーツクリーナー”を掛けない「×」ように注意。固くなりやすくひび割れやすくなります。

 

 

セルモーター不調の大多数の原因

セルモーターの不調原因No1はカーボンブラシの摩耗です。
もちろん回転による消耗品ですのでいつかは無くなります。

これが減り過ぎてると、コイルを押す力が弱くなり電気の力をうまく送り出すことが出来なくなり不調の原因となります。

交換しましょう。
ちなみに原付バイク用では交換品は多分無いのでセル交換となります。

 

※ホームセンターでディスクグラインダー用カーボンブラシを適当に買って、グラインダーなどで適合サイズにカットして、銅線をはんだごてで取付して使用することもできます。(過去一回だけ経験有り)。
簡単ですが面倒すぎて二度としまいとなりました。

 

これでセルモーターの全ての清掃および点検が完了です。

大事なのは「組み立て」です。

 

 

セルモーターの組み立て手順と方法

全て逆手順で組んでいくだけですが、【台座部分での重要ポイントが2点】有りますのでそこだけ紹介。

組み立ての【重要】ポイント2点

一つ目:ブラシ留め具の向き

カーボンブラシを留める金具の向き。
これが重要です。

以下の写真は中心に向いています。
これは×NGです。
これでも組めますが、板がコイルに接触したままエンジンをかけるとショートしてコイルが焼けてとんでもなく焦げ臭い匂いとともにセルモーターが死にます

注意!

見比べるとこうなります。間違えて組んで電気を通すと壊れます。
【左図】×NG  【右図】○正しい

 

 

二つ目:カーボンブラシの留め方

カーボンブラシの留め方です。
カーボンブラシを押し込んでもバネが有るので中心へ出てこようとして、コイルモーターの主軸を挿入できません。

 

ブラシを指で抑えたままで、クリップで銅線を挟んでおきます。
これで簡単に作業できます。

 

両方とも同じことをします。

 

こうすれば、主軸コイルモーターは挿入できます。
挿入後、クリップを外します。

と、この2点の注意点が必要なくらいです。
あとは逆手順で組み立てて、セルモーターのオーバーホールが完了です。

 

 

セルモーターのオーバーホールに必要な部品と工具

外したセルモーターのオーバーホールに特殊工具は必要ありません。
ドライバー1本で可能です。

※今回はあくまで原付バイクのトゥデイAF61/AF67共通純正セルモーターを使用しました。

部品類:

●トゥデイAF61セルモーター(互換品)

補修用セルモーター自体です。

 

●トゥデイAF61セルモーター(純正品)

純正品番号:31210-GFC-771
純正品です。心なしか純正の方が重い気がします。側金属部分がしっかりしてます。

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作業に必要な工具

●クレ226(電極接点復活剤)

ひろぱぱブログで頻繁に出てくる226。セルスイッチから、バッテリー、オートチョーク、コネクタ全部、あらゆる電極に使用可能な電極接点復活剤。
これも一つで5~10年持ちます(笑)。

 

●ラバープロテクタント(ゴム復活剤)

ありとあらゆるパッキン及びホースの亀裂予防に役立つラバープロテクタント。
これもひろぱぱブログでも頻繁に出てくる超必須アイテムです。

 

 

セルモーターオーバーホールの交換作業動画

今回のオーバーホールの作業動画です。
バッテリー直結での確認まで行っています。

 

今回はトゥデイAF61/AF67のセルモーターのオーバーホールの手順と方法作業となりましたが、やる事は車であれ、単車であれ、原付バイクであれほぼ同じです。
ひろし整備人

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