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トゥデイAF61のオートチョークの確認方法とオーバーホールの方法です。
※DIO[AF62]の人も共通。
オートチョークの不具合はトゥデイといわずキャブレター原付スクーターの持病の一つなので覚えておきましょう。
良く壊れると言われるこのオートチョークですがオーバーホール整備すれば治る事がほとんどです。(私見)
オートチョークは熱膨張を利用してガソリン量を調整するピンをキャブレーターの中でゆっくりと出したり引っ込めたりしてるのですがその部分です。
しかもキャブレターよりも簡単にあっといまに出来ます。
オートチョークの生死確認方法
トゥデイのオートチョークはコードの途中にギボシなどがないのでバッテリー直結が面倒ですのでそのまま確認しましょう。
※注意:よくキーをonにするだけでニードルは伸びてくると言いますが、車種によって違いますので確実なのは外すか温めた状態できちんと目視することです。
- エンジンがかかる場合。
- エンジンがかからない場合。
によっても違います。
1:エンジンがかかってまだ動く場合の確認方法
アイドリングチェッカーで測る。数字がエンジンかかった状態で1~3分後、数値が変わらなければ壊れてます。
ただし、オートチョークのオーバーホールで治る事が多々あるのでやはり目視です。
※そもそも「伸びた状態で壊れてるのか?」「縮んだ状態で壊れてるのか?」も判断が必要ですので。
※経験上データからは100%の確率で縮んだ状態で故障します。
伸びた状態で壊れてる方がエンジンかからないので、他を疑いがちになるのでタチ悪いと思いますがスプリングがあるのでほぼ縮んだ状態になるはずです。
次は実際走ってみる方法。
まずは冷えた状態のオートチョークを見ます。
冷えた状態なので素手で持てます。
チェック
5分くらいエンジンかけて走ってきて下さい。
オートチョークを外します。
※やけどしますので必ずロングノズルペンチを使用して下さい。
チェック。
伸びてない。
暖まってるのに伸びてないという事は、キャブのガソリン穴をふさいでくれないので「チョークは効いたまま壊れてます。」
という事はガソリンが常に多めに出てプラグも被り気味になります。
2:エンジンがかからない場合の確認方法
普通はバイクが動かなくなってからキャブレターなどを✔するのでこちらでしょう。
方法は2つあります。
1:トゥデイの場合はチョークコードの途中にコネクタがないので、チョークのコードをペンチで切断してバッテリー直結させて確認。
この場合は元に戻す時に、ギボシを作る必要がありますので面倒ではあります。
純正のコードを切るのもあまり精神衛生上は良くないですし。
他の原付の場合はコードごと抜けるのが多いのでこれでも構いませんが基本オーバーホールしましょう。
その方が確実です。
2:コードは無視してオーバーホールしてから確認。
外したチョークをそのままドライヤーで直接温めるという荒業をする人もいるようですが、プラスチック溶けるしガソリンついてますので爆発しますよ(笑)。
絶対に辞めましょう。
という事で、2のオーバーホールの方法で確認します。
簡単ですし安全です。
原付のオートチョークのオーバーホールの方法
大抵電極部と熱膨張帯金属が壊れますが、熱膨張金属が死んでいれば買い替えです。
そうでなければ全清掃です。とくに電極部の清掃で治る事がほとんどです。
これらのパーツで出来ています。
これを全て清掃します。
1:全てのゴムパッキンはラバープロテクタントを吹きます。
2:他の金属やプラスチック部分はガソリン汚れをパーツクリーナーで綺麗にふき取ります。
3:電力接合部は脱脂後、接点復活剤に浸します。
順番に並べておきます。
さて、開始です。
オートチョークとコードを抜きます。
カバーを引っこ抜いて、ねじ止めしてある本体を2分割にします。
汚い。。。ガソリン赤で染まってます。
バネをはずして、
大事な部分です。
更に外していきます。
これが熱膨張の金属です。他も引っこ抜いて外すだけです。
これにガソリンをふき取ってからのドライヤーでの生死確認はOKです。
してみましょう。
地面の白い部分に注目して下さい。まだ冷えた状態です。
1分ドライヤーで当てた状態。
伸びてますね、これは生きてます。他にチョークが伸び縮みしない原因がある事が分かります。
2.3mm→2.85mmへ伸びました。縮むのはバネの力なのでここでは当然冷えても縮みません。
冷めたら指で押して戻して下さい。もどれば生きてます。
熱膨張金属が生きている事が分かったので、電力が来てない可能性が高いです。
次は電極部の分解清掃です。
こっちから引っこ抜きます。固まって無ければ逆さにして振れば落ちてきます。
電力接合部です。何か青色になって固まってます。。。バッテリーの+側に付着するアレのような感じです。
金属に付着してるアレとは?
- 青い塊=緑青(ろくしょう)
バッテリー端子に繋がるケーブルの銅から発生する錆び - 白い塊=流酸鉛錆 か 硫酸
・流酸鉛錆・・・バッテリー端子部分の鉛から発生する錆び
・硫酸 ・・・バッテリー液が気化する等して、電極等で再結晶化したもの
どちらも電力の供給を妨げ邪魔をして、不具合を生じさせます。
パーツクリーナーで脱脂した後完全に乾いてから、KURE226に浸します。
電力接合復活剤なら何でも構いません。
戻すときは丸い石を金具に置きます。
もう一つの金具で上から押さえサンドイッチします。
このままもとに戻します。
この状態でOKです。
次に全てのパッキン清掃です。
ラバープロテクタント(ゴム復活剤)に浸します。
全部仕上がったら順番に並べます。
オートチョークの組み立ては右から順に嵌めていくだけです。
かなり簡単な作りです。
分解してきた逆の順に組み立てていくだけです。
オートチョークの全組み上げ時の出し幅
私のは21.2mmでした。
原付のオートチョークのオーバーホールの完了です。
この形にしてキャブレターへ挿し込んで確認していきます。
「熱膨張金属が生きているので」これで治らなかったら途中のコードが断線・ショート等してるという事が分かります。
物理的にそれしか無いからですがテスター当てればすぐに分かります。
とにかく原因が絞れます。
さてエンジンをかけて確認です。
ブルン♪ブルン♪
アイドリングチェッカーのワニクリップをプラグコードへはさんで確認。
1850を指してます。チョークが効いている状態なので、ガソリン多めに出るので勢いがあります。
オートチョークが正常なら1~3分程度したら熱膨張金属が伸びてニードル穴を少しづつふさいでいくのでアイドリング数が当然落ちていきますよね。
1分後、1200まで急に落ちました!!チョークが伸び縮みしてる証拠です。
OK♪
オートチョークの完全復活です★
これでまた元気になりました。
オートチョークは新品購入しても良いですが簡単に治るものを調べもせず買うのも嫌なので、先にオーバーホールをしてから確認しましょう。
熱膨張が無い場合は当然買い替えですよ。
オートチョークのオーバーホールで必要な道具
今回はトゥデイAF61でした。
●オートチョーク本体(壊れている場合)
純正番号:16046-GFC-891
●エンジンコンディショナー
ひろしワークでしょっちゅう出てくるこれ(笑)。
こんなもん何個あっても困らないのでまとめ買いしてます。
ひろぱぱは全てのカーボン除去にはこの泡タイプでは最安値の呉工業エンジンコンディショナーを使用してます。仕上げの洗い流しは安物のパーツクリーナーでします。
●クレ226(接点復活剤)
ひろぱぱブログで頻繁に出てくる226。セルスイッチから、バッテリー、オートチョーク、コネクタ全部、あらゆる電極に使用可能な電極接点復活剤。
これも一つで5~10年持ちます(笑)。
KURE(呉工業) 2-26 (180ml) [ For Professionals ] 防錆・接点復活剤 [ 品番 ] 1020 [HTRC2.1]
●アイドリングチェッカー(エンジン回転計)
整備する場合、一つは持っておきましょう。
バイクや車に限らず丸ノコやディスクグラインダーなど何でも回転測れます。
原付のアイドリングの場合、2000rpm前後の使用が多いと思いますが、基準値が分からなくても「急に回転数が落ちたり(上がったり)」、「整備した時と不調になってからの回転数が違ったり」、「急に回転数が上がったり(エアーのルート破れ故障キャブ異物混入)」など、または逆に「今回のようにオートチョークの場合落ちないといけないのに落ちない」など感覚ではなく数字で分かるようになります。
ひろしバイクどっとこむの写真のはこれです。
付属のワニクリップでプラグコードを挟むだけです。
いや自分で手を加えて元気に治ると楽しいですね♪
トゥデイAF61はすぐ整備性も悪くなくて色々な不具合が治るので大好きなのです。
めちゃくちゃこわれるらしいので。