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前回でピストンまで清掃・交換が終わりました。あとはエンジン腰上を組んでいくだけです。
エンジン腰上は以下
- シリンダー(ピストン)
- シリンダーヘッド(バルブ+ロッカーアーム+カムスプロケット)
- エンジンヘッド(蓋)
最後にカムチェーンテンショナー
で成り立っていますが一つづつ多少の注意点があります。
一つずつゆっくりと楽しく^^
1:シリンダーを組む|ピストンの付け方と注意点
ここまで外してきたのですから逆の手順で組むだけです。
●圧縮上死点を出す
”排気上死点”と間違えないよう注意して下さい。
チェック:圧縮上死点
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【圧縮上死点の出し方】4stバイクのエンジン整備メンテナンスの必須条件|排気上死点と圧縮上死点の違い
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まずは圧縮上死点を出します。
「T」と「F」を切り欠きを挟むまたは「T」を切欠きと合わせるようにします。(サビてて見にくいです。)
T=圧縮上死点・F=タイミング点検位置
※分解時に印を付けておけばカバーも開けず、こんな事気にする必要すらありませんが、あくまで基礎として書いときます。
カバーを外すと切り欠きが出てきます。「T」と「F」がこの部分の切り欠きを挟んでいる事を確認します。
この時ピストンが最大限に出ている位置が圧縮上死点です。
万が一この時ピストンが最大に出ていなければエンジン腰下クランクシャフト交換時にミスってます。
普通なかなか触りませんのでこの状態でピストンは最大限に出てるはずです。
●エンジンオイルを塗ってピストンを嵌める
正面にもどって、緑色のガスケットを交換します。
4stエンジンオイルを塗ります。(シャフト・リング・ピン・ピストン横全体)
ピストンピンにも塗ります。
サークリップが超嵌めにくいですがここは頑張るのみです。
一発ではなかなか出来ない事が多いですので頑張ります。
ハマりました★ 4stエンジンオイルをピストン横とリング・サークリップ部に塗ります。
塗り込んだらリング内にもオイルが回るように手でリングを回してなじませてあげます。
●リングの向きを整える
この状態でリングの向きを整えます。
こうでしたね。上から順に120度づつずらします。
手でしにくい部分は細いマイナスドライバーがあれば簡単に出来ます。
※吸気(大きい方)が上向き・トップ・セカンドに注意。角度に注意。
●シリンダーを組む
シリンダーの中も4stエンジンオイルを塗ります。
ゆっくりとシリンダーを入れて行きます。
この時チェーンを出しておきます。
ピストンリングが引っかかりますので、無理やりし過ぎないように奥から指を入れて縮めながら入れます。
入りました。フライホイールor左クランク(駆動系開けてるなら)のドライブフェースを回してピストンに異音がないかも✔チェック。
※ピストンの向き間違えないように
「IN」が上です。正面から見ると「NI」となりますが。
「GFC」はメーカーの刻印なので無視。
INは対面するバルブの吸気と合わせる位置の意味です。
バイク自体対面するバルブ側の吸気の方が大きいので分からなくなったら対面させてみて下さい。
ピストンの向きが逆だと当たるので壊れます。
完了です★
どこかのブログで中国せいだからピストンのくぼみのサイズが違うとか書いていたのをみましたが危ない。
当然違います。面と向かい合わさるバルブサイズと比例して大きさも変わります。。
2:シリンダーヘッドを組む|バルブとロッカーアーム+カムスプロケットの注意点
チェーンガイドをシリンダー溝にハメて入れた後に、カムチェーンを出しながらアルミガスケットを入れます。
その後シリンダーヘッドを組みます。ガスケットも丁寧に組んで。
チェーンを引き出しながらゆっくり入れて行きます。
出来ました。
チェーンは奥にスルスル行くのでホースクランプを引っ掛けて出しておきます。
ロッカーアームを入れる。
シリンダーヘッドをきっちり隙間なく組んだらロッカーアームホルダーを入れます。
これで休憩(笑)★
トゥデイAF61原付カムスプロケットの組み方と注意点
向きは刻印の【2】が上、【1】が下です。180度間違えないようにしましょう。
この時、カム山のポッチの向きに注意します。ロッカーアームを押すタイミングになります。
カムスプロケット(ギア)の中心をはめ込みます。
刻印が「2」が上で「1」が下、切りかき線がシリンダーに対して水平を確かめます。
カムスプロケットボルトをしっかり2つ締めます。
ボルトを留めていきます。
シリンダーロッカーアーム4つ + シリンダーロングボルト2つを締めます。
4つのナット規定締め付けトルク16N・m・2つのシリンダーボルト規定締め付けトルク無し(10N・m位ですが舐めないよう注意が必要)
3:エンジンヘッドを組む
エンジンヘッドのゴムガスケットをはめ込みます。
凹み部分を合わせてパコパコはめていきます。
ゴムパッキンをしっかり締めた後、エンジンヘッドを嵌めます。
2つのヘッドボルトを規定締め付けトルク12N・mでしっかり締めます。
完成★
と、見せかけてカムチェーンテンショナーを忘れずに。
最後にカムチェーンテンショナーの仕組みと付け方
カムチェーンテンショナーの仕組みを理解する
エンジンを上から見るとこの穴。もう一つの穴はインマニ部分なのでキャブレターの方です。
カムチェーンテンショナーの頭をプラスドライバーで開けます。
プラスネジがフタになってますので外して、次に細いマイナスドライバーを突っ込んで締め込みます。
すると指で押さえながら締め込むとテンショナーが縮んできます。
マイナスドライバーを抜くとばねでまた飛び出します。
この縮んだ状態でエンジンに取り付けます。
カムチェーンテンショナーの取付け方
仕組みを理解した上で先にエンジンに本体を付けましょう。
ガスケットを付けて。
本体を置きます。
上から細いマイナスドライバーで真ん中を締め込んでいきます。
締め込んで行くと縮んでくるので手で押さえたうえで、本体をボルト2つで留めます。
これで止まりました。
きちんとカムチェーンガイドに乗ってるかはクランクを回せば音で分かります。
チェーンに当たってるようだとガッチャンガッチャン音がします。
OKならプラスネジで蓋をします。
圧縮漏れに繋がりますのできちんとしましょう。
全て完成★ これで腰上エンジンは組めました^0^/
あとは本体フレームに取り付けて、キャブレター付けたら元気にエンジンがかかってくれたら成功です。
とにかくカーボンは溜まりやすいけどすぐに復活する原付トゥデイAF61です。