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今回はジャイロX[4st・TD02]の駆動系のオーバーホールの方法です。
2stのTD01とは中身はだいぶ異なりますので注意部分もいくつかあります。
早速ですが作業していきます。
まずは前準備でリヤーフェンダーカバー類を外しておきます。
チェック✔:リヤーフェンダー外し
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【ジャイロX】エンジンカバー・リヤーフェンダーカウルの外し方
これは今後のエンジン周り・駆動系・オイル継ぎ足し・冷却水ポンプなどの修理作業などで必要な当たり前作業ですので書いておきます。 まず ...
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駆動系なので傾斜は右にしておいて、左を作業しやすい状態にします。
駆動系左クランクのバラシ方|プーリー・Vベルト・クラッチの外し方
”24mm”で”ホイールロックナット”を外します。
”ホイールダストシール”のボルト三つを外します。”10mm”です。
ブレーキワイヤーも抜いておいて左クランクケースカバーを開けていきます。
”10mm”で10個のボルトを外します。
これで”レフトクランクケースカバー”が外れます。
左から”プーリー”・Vベルト”・”クラッチ”を外します。
プーリーが”17mm”ナットです。
クラッチが”14mm”フランジナットです。
プーリー側は”プーリーホルダー”で固定して外します。
クラッチ側は”ユニバーサルホルダー”で固定して外します。
これで駆動系部品が全て外れます。
【左:プーリー】【真ん中:Vベルト】【右:クラッチ】
プーリー(ウェイトローラー)・Vベルト・クラッチの清掃/交換方法
プーリー|ウェイトローラー交換方法
全てひっくり返して綺麗に”パーツクリーナー”で清掃します。
一番消耗するのは、エンジンを回すたびに動くので”ウェイトローラー”です。
段付きがある場合は交換です。”7.0g”と思います。
次に黒いプラスチックの”スライドピース”です。
これも疲労がありグラつく場合は交換です。
綺麗にして組み込んだら”プーリーのOH”完了です。
Vベルト交換方法
”ドライブベルト”は「ケブラーの縮れ・ゴムのひび割れ・削れ・劣化・弾力」をチェック✔します。
切れた場合や消耗が激しい場合は当然交換です。
空拭きだと汚れが取れないので、再利用で清掃する場合は必ず”ラバープロテクタント”を使用。
いくら耐油ゴムでも”パーツクリーナー”を使うとカチカチになりひび割れしやすくなり劣化します。
慣れてくると”ゴムの弾力”で劣化度がなんとなく分かります。
クラッチ交換方法|クラッチシュー・ドリブンフェイススプリング
クラッチアウター
クラッチアウターの内側サイド面で、クラッチシューを受け止めて動力にするため、必ずシューの削れ粉が溜まりますので綺麗に掃除します。
クラッチシュー一式
”クラッチナットレンチ”もしくはインパクトで外します。”39mm”です。
これで”クラッチシュー一式”が抜けますので新品に交換します。
※抜けにくい場合はくの字プライヤーなどでゆっくり外します。(※動画参照)
ドリブンフェイススプリング|(※動画参照:危険)
※万力は使用する必要ありませんが、足の場合も注意が必要です。
イメージしやすいため万力とクランプを使用してます。
スプリングがはじけて危険なので慎重に作業します。
”エキスターナルサークリップ”をプライヤーで外します。
これで”サークリップ(スナップリング)30MM”が外れますので、すぐに押さえを外すと危険なのでゆっくり作業します。
これで”ドリブンフェイススプリング”を交換できます。
新品と比較するか弾力劣化の場合、交換します。
駆動系左クランクの組み方|手順
まずはオイルシールに漏れがない事を確認してください。
組む前に確認✔:各オイルシール
- 【左前】クランクシャフト - シール:91202-GEE-003
- 【真ん中】ファイナルシャフト - シール:91266-415-003
- 【後方】ドライブシャフト - シール:91202-KJ9-003
プーリー側に”ワッシャー”を入れます。
”ドライブフェイス”を入れる。
次はクラッチ側に移り”クラッチ”に”Vベルト”を通します。
そのままシャフトへ挿入して以下の状態にします。
”ドライブフェイスボス”を”プーリー”へ挿入したまま装着します。
シャフトへ通します。
※シャフトのD字とプーリープレートの「D字型」を合わせて奥までしっかりはめ込みます。
ポイント
拡大するとこうです。
”スターターラチェット”を挿入しますがこちらも「D字型」を一致させて挿入します。
その後の”ワッシャー”も忘れないように。
”クラッチアウター”をかぶせます。
最後に”プーリー側17mm”・”クラッチ側14mm”を締めます。
規定締め付けトルク
- プーリー側:32N・m
- クラッチ側:39N・m
組み込みも丁寧に”10mm”10本で締めて完了です。
これでジャイロX[TD02]の駆動系オーバーホールが完了しました。
しっかり確認!
しっかりとキックがギアと噛んで降りるかも確認してOKです。
※念の為必ず確認しておいてください。
重要:ベルト・WRの向きについて
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【ベルト式バイク全般】駆動系ドライブベルトの装着向き・ウェイトローラーの装着向きの注意点!
今日はドライブベルトとウェイトローラーの「装着向き」の注意ポイントとしてアドバイス頂きましたので再確認を込めて。 ドライブベルト式 ...
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【ジャイロX】駆動系オーバーホールで必要な部品・工具類
純正でも消耗が激しく交換の多い部品は、コストも見て安価で社外品を使用する事が多いです。
主として”Vベルト”と”ウェイトローラー”と”スライドピース”です。
部品類:
●Vベルト
純正番号:23100-GFZ-003
TD02のドライブベルトです。
NTB(エヌティービー) ドライブベルト ジャイロX (TD02) ジャイロキャノピー (TA03)など A6-18.5-671H
●ウェイトローラー
純正番号:22123-GFZ-010
非常に消耗する純正は価格が高いのでという人は、HONDA用WH16タイプ7.0g。
ライブディオZX スーパーDIOZX タクト TACT リード LEAD ZOOMER TODAY トゥデイ ズーマー ウエイトローラー...
●スライドピース
純正番号:22011-GCC-770
●クラッチシュー
純正番号:22401-gg2-900(スプリング)
純正番号:22535-GAK-305(ウェイトセット)
アッセンブリー一式品は完璧な接合品判明せず純正をおすすめします。
●ドリブンフェイススプリング
純正番号:23233-GFZ-000
完璧な接合品判明せず純正をおすすめします。メーカー純正品は登録が必要です。
チェック✔:純正品はここ
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バイクの純正部品を買うならウェビック|自分で修理するならwebikeが必要
※追記:2021年5月現在:どうやら事業主・法人以外の個人登録ができなくなってしまったかもしれませんのでご注意下さい。 ※昔は良か ...
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工具類:
●プーリーホルダー
プーリー側で使用します。
●ユニバーサルホルダー
ちょくちょく当ブログでも出てきますがユニバーサルホルダー。
空回りするので”クラッチアウター”に掛ける必要があります。
使う場所が結構あります。安物で充分OKです。
●39mmクラッチナットソケット
ジャイロXクラッチナットは”39mm”です。
●サークリッププライヤー|スナップリングプライヤー
今回はクラッチスプリングのエキスターナルサークリップを外すのに使います。
●インパクト用ソケット24mm
※ジャイロX[TD02]のホイールロックナットは24mmです。
インパクトで使用する場合は鋼鉄のインパクト用じゃないとすぐ割れて砕けるので注意。
ショートの場合運が悪いとホイールナットの場合車種によっては奥まで入らない場合があります。
ディープタイプにしておけば間違いなく大丈夫です。
●ラバープロテクタント
これは必須ですがあらゆるゴムの復活剤。
めったに開ける事のない所、開けたときなどついでに吹くだけなので超多用します。
ゴムパッキンのひび割れ防止などにもなります。
【ジャイロX】駆動系オーバーホールの方法作業動画
今回の作業動画です。
※動画の方は、再利用清掃方法も載せています。