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4stジャイロX(TD02)のファイナルリダクションオーバーホールの組み立て編です。
ここのメイン作業はベアリングの圧入・オイルシール圧入・ガスケットの塗り方が主な作業となります。
前回の作業はこちら
- 【ジャイロX】TD02ファイナルリダクションオーバーホール①|バラシ
- 【ジャイロX】TD02ファイナルリダクションオーバーホール②|組立て【※今回】
この状態ですので、各部品、ベアリング、シャフト、オイルシールを組んでいきます。
ファイナルリダクションの組み立て方法
ベアリング圧入
まずは全てのベアリングをベルトケース側・トランスミッションケース側ともに圧入します。
インストーラーを使用して、ハンマーでもプレス機でも構いません。
ベアリングインストーラーを用意しておきます。
サイズに注意:外枠までのサイズのアタッチメントをあてがいます。
ハンマーで圧入の場合
ハンマーで圧入の場合は、器用な方なら横向きでも出来ますので車体に着いたままでも作業は可能です。
ただし不器用な方は非常にデリケートな部分ですのでご注意下さい。
大事なのは「音」で、奥まで到達すると音が変化します。【※動画参照】
ポイント
「垂直に入りだした時の音」と「奥に入った時の音」の2回変化します。
プレス機で圧入の場合
プレス機で圧入の場合は打撃ではないのでケースに負担もかけず、楽ですが奥まで到達すると圧力メーターの変化を逃さないようにご注意下さい。
ハンマーと違い音の変化がとれませんので慎重に、ベアリングで2トン~以上など掛け過ぎるとケースが破損します。
あとは全て同じようにベアリングを挿入していきますが一点注意がこちら↓
重要注意ポイント
※Rディファレンシャルベアリングの圧入前に、オイルシールを絶対に忘れないようにご注意下さい!
ドライブシャフトベアリングにシャフト圧入
全てケースにベアリングを圧入していきますけど、ドライブシャフトだけはベアリングに圧入です。
各部品装着・オイルシール装着
※注意点
- カウンタシャフトは両端にワッシャー必須
- カウンタシャフト+ディファレンシャルは同時に挿入
- パーキングロックスプリングは確実に挿入
- パーキングロックシステムAssayは確実に奥まで挿入しないとケースが閉まりません
- パーキングロックオイルシールはケース内側から挿入
これで全て部品・シール類装着完了となりますのでケース合わせをします。
トランスミッションケースとベルトケース合わせ
ガスケットを塗るのはトランスミッションケース側です。
液状ガスケットで合わせ作業を行います。
純正指定ガスケット
※1207B(スリーボンド社)。これ同等もしくは以上のグレードを使用
塗る場所は以下です。
10mmで8本のケースボルトで対角線上に少しづつ締める。
これでケース合わせ完了です。
最後にパーキングレバーとナットを締めて、ドレンボルトを締めると全て完了です。
※ドレンボルト規定締め付けトルク:24N・m
24時間後:ガスケットが固まってから
ファイナルリダクションオイル|ミッション(ギア)オイルの補充
ケースを割ってオイルを全て排出していますので、全容量の規定量を入れます。(※注意交換時とは200ml異なる)
ミッションオイル量
- 全容量:0.35L
- オイル交換時量:0.33L
これで全ての作業が完了となります。
あとは車体へ取り付けていくだけです。
ファイナルリダクションの組み立てで必要な部品・工具類
部品類
※前回バラシ編>>の時に紹介している為省略。
工具類
●ベアリングインストーラー|圧入器具
動画で出てくる私のインストーラーは、高いうえに単車や車で使用する場面が多いサイズしかありませんのでこちらがおすすめです。
●プレス機|ベアリング圧入
圧入でのプレス機はとても便利で安心して挿入ができますが、車体に付けたまま作業が出来ないデメリット位はあります。
●液状ガスケット|1207B
純正指定はスリーボンド社の1207Bです。
耐熱にはさほど強くありませんが、耐エンジンオイル・耐LLC(冷却水)・耐ガソリンに優れた液状ガスケットです。
かなり扱いやすいガスケットとなります。
●トルクレンチ
今回作業中にトルクレンチが狂ってボルトが折れる恐怖があり新規に購入しました。
プリセット型から途中トルクの強さの分かるデジタルへ変更しました。
ジャイロX】TD02ファイナルリダクションオーバーホール作業動画
今回の作業動画です。
前回がバラシ編となり、今回が組み立て編となります。