ジャイロUP [TA01] 症状別トラブル修理

【2stジャイロ共通】症状別トラブル修理:オイル漏れの原因箇所特定修理とお漏らし定番箇所全紹介

2021年7月13日

今日は症状別トラブル修理で、ジャイロUPを置いていた地面から滲み跡が発生しました。

いわゆる「お漏らし」というやつですね。これの原因特定と修理をしていきます。

今回の定番原因箇所は2stジャイロであれば、キャノピー・X・UP全て共通です。(※部品は異なるので注意)

漏れる場所はおおよそ決まってますのでまずはそれの判断をして最終的には特定をします。

特定方法はたどっていくだけですがそれがどこの装置からかで部品箇所の検討もつきます。

大まかに装置として3カ所・部品点数としては7点位あります。

 

2stジャイロのオイル漏れ定番箇所紹介[※動画参照]

上から見るとこのような感じで成り立っています。
【黄色:ミッションオイル+α】【赤:2stオイル箇所】

 

①2stオイル漏れ場所:シリンダークランク

まずは2stバイクですので、エンジン側には2stオイルが溜まります。
特に2stは4stとエンジン仕組みが異なりますのでピストン側で使用されているオイルも異なります。
エンジンシリンダークランクは、ピストンより上は燃焼としてオイル+ガソリン下側に関しては2stオイルで潤滑してます。
さらに4stとシステムも異なるため、ピストンが上下する下へ行くときにも大きな圧を生じさせます(一次圧縮)。
故に前方3カ所のオイルシールからの2stオイル漏れが生じやすいです。

 

②ミッション(ギア)オイル漏れ場所:トランスミッションケース

2stバイクのミッションオイルはトランスミッション(ファイナルリダクション)側のみを担います。

2stオイル側と異なりシリンダーから遠いので熱劣化はしませんが、ショックアブソーバーが劣化してくると負荷をダイレクトで受ける場所ですので歪み・劣化しやすくなります。
ことジャイロUPに関しては、キャノピーやXと異なりショック構造が唯一異なり、荷台が大きく荷物が載せてしまうがゆえ、とんでもない重量載せる人もいるはずですがそういう人はかなり劣化しますので覚えておくと便利です。

その場所が、左駆動系クランクケースとファイナルリダクションを繋ぐ部分のオイルシールが非常に劣化しやすいです。

補足:クランク繋ぎ目について

ミッション(ギア)オイル漏れの定番はなにも左側オイルシールだけではなく、右側でもマフラーを社外品使用してる人に関してはトランスミッションクランクのつなぎ目からも漏れやすい定番です。
理由は簡単でマフラーをトランスミッションクランク部分へ固定するからです。
純正の様にピッタリと付かない社外品は無理矢理し過ぎるとクランクに歪みを生んでドバドバとミッションオイルを垂れ流します。

 

 

オイル漏れ修理方法|クランクシャフト左右オイルシール

今回はクランクシャフト横からのオイルもれでしたのでこのパターンでいきます。

オイル漏れ箇所さえ特定すれば部品交換するだけです。
オイルシール交換の難しい場所というのはある程度決まってます。
①クランクシャフト左②クランクシャフト右③ドライブシャフト部、この3点は簡単にはシャフトを抜く事が出来ません。
特にクランクシャフト左右は他よりサイズが小さいうえにシャフトを抜き取る事が出来ません。(厳密には腰下を割ってクランクシャフトを抜けば可能ですがその場合はバイクの最大の面倒である腰下割りが必要です。)

なのでそのままドリルで砕きながら外していきますが、これが失敗をすると完全に修復不可能になる場合もありますのでご注意下さい。

 

オイルシールの外し方

まず念の為プラグを外して圧力を逃がしておきます。

オイルシール真ん中から絶対に刃を外さないようにドリルを入れて貫通させます。

 

1つの穴では足りない場合は複数開けて削っていきます。最終はフックを使用して引っこ抜きます。

 

これで外れます。

 

失敗するとどうなる?[※補修方法は動画で紹介参照]

失敗の仕方によっては左クランクケース総交換と、最悪の結末となります。
オイルシールだからと言って簡単簡単と油断して、クランク側を傷つけるとオイル漏れが止まらなくなる場合もありますので重々慎重に。

 

 

オイルシールの圧入方法

シャフトがある場所では平面ベアリング・シールインストーラー等は使用出来ません。
オイルシールによっては内臓金属が変形したりもしますので、必ず筒型の工具で均等圧力でインストールします。

あとは元通りにして完了です。

 

※シリンダー側のオイルシールを交換したの確認作業方法

確認作業としては、エンジンシリンダークランク内は空になってますのでまだ2stオイルで潤滑できませんので、いきなりエンジンかけて焼き付き症状ださないように、エンジンOFFのままキックでオイルをシリンダークランク内に溜めます
その後に漏れ確認してエンジン始動です。

 

 

【2stジャイロ共通】オイル漏れの原因箇所特定と修理に必要な部品・工具等

当車両はジャイロUP後期です。

部品類:

●クランクシャフトオイルシール(左):91202-KBN-921について

純正番号:91202-KBN-921(2)

※注意事項:921番は市場在庫分しか既に売っていませんので、922で代用可能だそうです。
と同時に私も使用しておりますのでご安心を。

 

工具類:

●ピックアップツール

オイルシールを押し出しではなく、引き出す場合に必要です。

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●シールプーラー

忘れてました今回使用してませんが、工具箱にシールプーラーが入ってましたが私もこれ持ってます。
ピックアップツールorシールプーラー等があれば固いですが外すことが可能です。

(STRAIGHT/ストレート) シールプーラー 19-355

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【2stジャイロ共通】症状別トラブル修理:オイル漏れの原因箇所特定修理の作業動画

今回の作業動画ですが、「お漏らし原因箇所特定方法」・「ジャイロクランク全漏れ場所紹介」・「オイルシール交換方法」・「オイルシールドリル失敗からの補修作業方法(状況による)」を紹介してます。

 

お漏らし症状はどんどん出てくる時あるので焦るんですよね。落ち着いて原因箇所特定して迅速修理です。
ひろし整備人

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