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【駆動系の話】ウェイトローラーのセッティングと原理と仕組み|WR無いとバイクは動かない?

2021年7月3日

今回はバイクの駆動系ウェイトローラーの理屈と原理です。

リクエストも有り「ウェイトローラーって無いと走らないんですか?」という質問を頂きましたので、応えと共に特性についても見ていきたいと思います。

結論からいうとエンジンはかかりますが、ウェイトローラーが無いと走りません

その理由と特性は以下に書いてみました。

駆動系は一番弄りやすいので入門みたいな部分ですが、簡単だからと適当にすると痛い目を見ますのでご注意を。

どんな整備も丁寧にが大事です。

後述しますがウェイトローラーの一般的にセッティングというのはノーマルに置いては「指定ウェイトがエンジニアベースでの最高セッティング」となります。

一般の人がいうセッティング・チューニングは「乗り手ベースの好みのセッティング」が正しい表記です。

 

ウェイトローラー(WR)の重量と特性

そもそも何の基準に対して重いのか軽いのかを把握することが重要。
それは排気量・トルク・パワーにより世界基準で決まっているエンジン排気量ごと(バイクごと)のノーマルウェイトローラー重量に対してです。(ターボ車等の場合はまた違うようです)

※本来ウェイトローラーは単体でセッティングするものではありませんので、チューニングとはまた異なりますが今回は特性理解を優先して、それについては最後に記述しておきます。

 

●WRが軽い場合

頻繁なストップ&ゴーが多く短い距離が多い人向け。

メリット

  • 発進時・出だしが良くなる。
    高回転時にクラッチに繋げれるので発進(出だし)が良い。
  • 低速時の加速・減速時間が早い。
    ムーバブルドライブ内での動きが速いため早めの加速減速が可能。(但し加速力に関しては力不足)

 

デメリット

  • 発進力と引き換えに加速力が下がり、最高速までの時間が遅くなる。
    出だしは良いがベルトを押す力が弱いため中~高速までの時間がかかる。
  • 消耗が激しいので交換頻度が多い。
    ムーバブルドライブ内での動きが速いため削れ易い。削れると更に軽くなるので不調も早い。
  • 高速域のもたつきと燃費が下がる傾向。(特に長距離)
    Vベルトを押す力が弱いので中~高速時の力が無く特に長距離時の加速時に燃費悪化。
    燃費が下がる場面ツーリングなどの長距離運転

 

 

※軽過ぎる場合|砕けや消耗時・これは皆必ずなります。

ウェイトローラーは消耗品なので誰でも必ず起きる現象で当然メリット無し交換です。

  • 発進時・一瞬出だしだけが走るがあとは唸るだけでずっと吹かしてる感じ。
    ※経験上キャブのジェットが詰まってる症状と似ているが、駆動系なのでずっとエンジン高うなりのまま一定以上のスピードが安定して出ない。(駆動系との違いは、キャブ詰まり症状の場合ゴボツキがあるのが特徴)
  • 燃費が激悪になる。
    ※最高速度時回転数のままブオオオ~ンエンジン音で時速は10km/時とかなので当然。

 

 

●WRが重い場合

高速・ツーリング向け。

メリット

  • 発進さえすれば加速力が早い、減速が滑らか。
    重いのでベルトを一定回転数到達すると押す加速力が強く、減速は惰性が働く為なめらか。
  • 高速運転時のエンジン負担が少なく燃費が良い。

 

デメリット

  • 初速・出だしがもっさり。
    初動が重いのでクラッチに繋がるの時間がかかる。
    燃費が下がる場面頻繁なストップ&ゴー
    軽い場合と逆で発進時に時間かかるが、遠心力パワーが溜まるとベルトを押す力が強いため加速が早い時間でなめらかに繋がる。

 

ノーマルで良くない?

という感じですが、どちらもデメリットが嫌なんですけど。。。
というのが普通の人です。
あくまでエンジニアベースのノーマルウェイトが最適と思って間違いありません。

ただし、社外品を使用してる人・改造してる人は話が別でチューニングが可能になります。
上述しましたがノーマル状態でのベストセッティングは指定ウェイトというエンジニアベースのものがありますのでそうなります。
逆に社外や改造はそれから外れますので、例えば、ウェイトローラーのデメリットを他部品チャンバー・スピードプーリー等で穴埋めしてバランスをとり、エンジン排気量変えずに速度アップをバランスよく可能にする事等が出来ます。

組み方バランス3×3

6個タイプの場合の例でいうと、よく3×3で組む場合などありますが、出だしも最低限早めにクラッチに繋いで後から一気にノーマルより重い30gが加わってくるで、理に適ったバランスとなりますが、欠点として軽いウェイトローラーから削れ消耗しますのでバランス差が6個同じ重量よりも崩れやすい特徴がでます。

【左図】8.5g×6個=51g

【右図】7g×3個+10g×3個=51g

同じ重量でも組み方が異なると特徴も異なってきます。

※ウェイトローラーは消耗品のため、いつかは必ず軽くなります。他に段減りや砕け等が生じ不具合を生じる事があります。
つまり、重くする分には人為的・軽くする分には人為的と自然消耗の2つあります。

 

 

今回の動画|急遽アップしたため質問回答部が後半になってます

 

気軽に速度アップしたいとか考えると沼にはまりやすい部分でもあります。
ひろし整備人

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