けっこう多い質問で、トゥデイAF61とAF67に使用されてるスパークプラグのCR7HSAとCR7HSA-9の違いは何?
というのがあります。
そしてこの2つはどちらでも使用できるのですか?という質問も多くてまとめてみました。
このプラグはベンリィでも使用されています。
ちょうど今ある車両で見てみるとサービスマニュアル上ではこんな感じです。
- 2stジャイロUP後期:BR8HSA
- トゥデイAF61(前期):CR7HSA
- トゥデイAF61(後期):CR7HSA-9
- トゥデイAF67:CR7HSA-9
- ベンリィ50:CR7HSA-9
基本的にプラグには○○○○-●が付くタイプは後から発売された後発タイプが多く、改良されたものがほとんどです。
故に上記を見てもらうと分かりますが発売年代順に後半は全て「-9」の部分が付いています。他にもジャイロなどのようにアルファベット「〇〇〇〇〇-E」等もあります。
※「-〇」の部分がアルファベットの場合は特殊等ありますので注意が必要です。
簡単に言うと型番が同じで点火域(火花の散り方)が違ったりするだけですのでどちらでも使用可能です。
どちらでも使用可能であれば、後発の方が改良されてるので良いですねという話です。
特に昔から「HSA」プラグは被りやすいと言われていましたのでその後発と思って頂いて問題ありません。
どちらでもきちんと走りますのでご心配は無用です。
まずプラグはこのサイトでは点火装置とタグ付けしてますが、まさに点火装置そのものです。
NGK公式ホームページでは分かりやすいように「ライターの役目」と表現されています。
ただシリンダー内過酷な状況下にあり、混合気の圧縮・点火をし続けている点ではライターと違いがあります。
エンジンが回っている限り2000℃~2500℃の中で燃え続け5MPa(50kg/㎠)の爆発圧力に耐えていますので一番の消耗部品とも言えます。
プラグ表記の見方
まずアルファベットや数字が並んでいますのでこれを見ていきます。
当然全てに意味があるものとなっていますが、改造する人以外で乗り手が思えておくものなど一切ありませんのであしからず。
※サービスマニュアル上の型番を使用して下さい。
CR7HSA
これはNGK表記ですが、デンソーなどメーカーが異なると呼びも異なる事もあるので注意。(注:私は車以外でデンソー使用したことありません)
C:10.0mm
R:抵抗入り(レジスタータイプ:電子部品ノイズ少タイプ)
7:熱価(改造・チューニング・レーシング以外関係ない)
H:ねじ長さ12.7mm(リーチ)
SA:標準タイプ
参考
※昔:S:スーパーワイドレンジ(現在は標準) A:ターミナル無し(ネジ型)←真意不明
※今はSA連読みでターミナルは文字で有り無し書くようですが実際の真実は不明です。
※昔はレンジ幅が狭かったですが今は標準との事でスーパーワイドレンジでもSが無いものもあるそうです。
アルファベットは全て意味があり「頭アルファベットがネジ径(mm)と熱価数字の次にくるのがねじ長(リーチ)」です。
CR7HSA-9
つぎは「-9」が後についてる場合です。
全ての能力は同じですが、ギャップが異なります。
- CR7HSA:0.65mm(+-0.05mm)
- CR7HSA-9:0.9mm(+-0.05mm)
となりよりギャップが広くとられていて被りにくくなっているそうですが、逆に言うとそれだけです。
プラグ内コイル等は全く同じという事を車屋さんで確認しましたが、CR7HSAをペンチで0.15mm広げて調整すればCR7HSA-9が出来上がる証明になります。
ポイント
「-9」や「-7」「-8」「-10」など数字の場合はギャップ数値の違いですが、「-E」「-S」「-A」などのようにアルファベットの場合もあります。
アルファベットの場合は特殊表記もありますので各説明書に従ってください。
BR6HSAとかB「P」R6HSAとかPってなに?|2stジャイロ等
同じ型番でも「P」のつく方が電極のガイシ(絶縁体部分)が少し突き出ている”絶縁体突出しタイプ”の事です。
したがってシリンダーヘッド内のみ長くなりますので点火ポイントがピストン寄りになりパワーが出るなんて言われてました。
つまりプラグの頭の形状(プラグキャップとの接点)の違いですが、P無しエンジンにP型プラグを使用すると2stのようにピストン真上にプラグが来るタイプはガンガンガンとピストンに当たる事があるので注意が必要です。
逆の場合は特に問題ありません。
プラグ熱価について|改造・チューニング車の場合
大衆市販車両で純正ノーマル指定を使用している場合は関係ありませんのでマニュアル通りにする必要が有ります。
[※重要]チューニング無しのノーマルにも関わらず、プラグで判断すると逆に他の不具合を全て見失いますのでご注意下さい。
つまり、ノーマル車でもレースサーキットで激しい走りをする場合にはプラグの番手を上げるべきですし、それ以外は触るべきではありません。
大事なのはバイク仕様と走行方法と場所でそれを踏まえたうえで以下。
- プラグのガイシが真っ黒濡れ気味な場合:かぶり・くすぶり
熱価の高いプラグで低速走行ばかりしている。
※ノーマルの場合は燃料またはオイル過多またはプラグ劣化状態。 - プラグのガイシが真っ白:焼けすぎ
熱価の低いプラグで高速回転をし続けている。
※ノーマルの場合は、空気過多。エンジン焼き付きに注意!
注意ポイント
要は、大衆市販車ノーマルの場合、上記症状が出たからといってプラグ熱価を変更するのではなくキャブレター・FIを整備する必要があるという事です。
逆にチューニングレーシング車では、自分でチューニングしてるわけなのでメーカーのマニュアル数字が最適からずれてるので、プラグの番手「も」変更して対応する必要があるという事です。
ということで本題へ戻ります。
結論:CR7HSAとCR7HSA-9の違い
ギャップ以外は全て全く同じでどちらも互換性がありシリンダーヘッドには完全に一致します。
CR7HSAをギャップを広げて被りにくくしたものが改良されたCR7HSA-9です。
このギャップペンチで広げる事もも可能ですが、極端に広げると4stではピストンorエンジンバルブに当たります。
2stではこのプラグ使用者あるか知りませんが、ピストンに当たります。
互換性はあるのでどちらでも良いですが、後発のCR7HSA-9の方が被りにくいですよというお話でした。
プラグ表記の見方と質問アンサー動画
今回の説明動画です。