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4stバイクの持病ともいわれるエンジンバルブカーボン噛み。そしてエンジンオイル乳化・白濁化。
これ実は色んな説と意見有りすぎてますので念の為プロの方に聞いてますが、プロの方でも色々異なりますのでご自身でかみ砕いて判断おねがいします。
この重大な症状の2大原因として以下のチョイノリ系運転方法の人は注意が必要です。
注意ポイント:こんな人に多い
※2stバイクは当てはまりません。
- 暖機運転(アイドリング)不足。
- 暖気後でも常にフルスロットル走行(小型50cc未満)。
- 冷えきった始動直後のフルスロットル走行(大型含む全車)。※超重要
- 短い距離(5km以内とか)、短時間運転(10分以内)がほとんど。
2大原因と言いながらも2つで一つみたいなところもあります。
上記2つを合わせると「エンジン始動直後の急なスロットル」が原因で、不完全燃焼を起こしカーボン噛みを誘発しているというものです。
ただしこちらが多いのは排気量が小さくバルブがカーボン溜まりを掻きだす力が弱い小型車に頻発。
同時に上記癖のある乗り方の場合は冬場等外気温が低い時、エンジンに急激な熱差を生むので結露が生じオイル白濁化を誘発します。
オイル白濁化は水分原因ですので小型車~大型・車まで全て共通でかつ、水冷車はガスケット抜け・水冷ポンプシール劣化等でリスクも多いので注意も必要です。(冷え冷えオイルは白くなりがちです程よく温まる事で綺麗な透明茶色になる商品自体の話とは別です。)
要はこの二大原因バイクの癖もあると思われますが、乗り方癖が似ている人が多い可能性があります。(※あくまで可能性)
この2つにより起こる症状はこれ
- カーボン噛み:スロットル開閉後(発進直後・ストップ後)関わらず、急な息継ぎやエンスト、エンジンがかからない。
不完全燃焼カーボン溜まりで起きます。バルブシートとバルブの間にカーボンが挟まりしっかり閉まらず圧縮漏れを起こし症状を誘発します。 - オイル白濁化:ギア車のニュートラルポジションランプの不点灯およびAT含むオイル性能劣化による潤滑・冷却不足による焼き付きやオーバーヒート。
水分融合で起きます。見える不具合はギア車に多く、Nスイッチなどがオイル内に有るため、白濁化によりスイッチ接触部が腐食を起こし不具合を誘発。さらにはオイル性能低下による潤滑・冷却不足に陥る。
(ギア車・スクーター車不具合多さはたぶん変わりませんが、メーターに繋がる目で見えるポジションランプ不具合がオイルクランク内スイッチがあるギア車の方が乗り手が気づきやすい為多いのだと思います)
2stバイクの場合:バルブがありませんので4stバイクとは異なり、フルスロットルは時々燃焼オイルを吐き出してただでさえ詰まりやすいマフラー側を詰まりにくくするのでたまにのフルスロットルも大切です。
かいつまむと基本的には始動直後を除いて、2stバイクはフルスロットル歓迎。4stバイクはフルスロットル苦手(小型のみ)。です。
結論:対処対策
結論をいうと4stバイクは”暖機運転”と”走り方”が非常に重要という事です。
解決策としては、①エンジンをかけて60秒「以上」程度の暖機運転(矛盾は一応ある)と②長距離運転(常にでは無くて良いので)です。
※特に走り方は重要との事で、結露分の水分はエンジン安定後にブローバイホースを通じて蒸気排出されるそうですので重度で無ければ長時間乗る事で直る事がある。
※季節(外気温)によりますが理想論完全エンジンバルブ金属膨張想定とすると5-10分の暖気運転、そして理想の乗り方としては長距離かつ30~1時間程度回してあげる乗り方。
※エンジンオイルは潤滑に加え、冷却も兼ねてます(空冷・水冷ともに)ので暖気したいのに冷やされる矛盾が生じる事も理解して、結局は乗り方が一番。
(※水冷車の場合、冷却水で冷やす場所とオイル冷却の場所は異なります)
ただし、この忙しい現代できないですので完全な理想暖機運転は10分とかなので近所迷惑もあり現実的には(※私は)無理ですし、レジャー・ツーリング用だけでなく足代わりのチョイノリが多い時代ですので、どうなるかを理解しておけば怖く無いですよね。
あくまで理想論であり、これしないといきなり壊れるとかありませんのでご安心をと言いたい所ですが、オイル白濁に関してはエンジンオイルの水分によるオイル劣化は避けれませんので注意。
人間生活活動圏内がるので、どうしてもオイル白濁する場合(人的ミス・整備ミスを除く)、大通りまではゆっくり走ってアイドリング代わりに自分なりに仮定して大通りから飛ばすとか、そしてたまには意識的に長距離走る事や、通常のオイル交換頻度より早めスパンを心掛けるなど、無理してストレスかかえて乗るより自分なりに出来る事を心掛ける事によって長く乗れる大事な愛車にしたいところです。
【重要】4stバイクでの暖気と走り方意識で変わる事
- 4st小型バイクの宿命カーボン噛みしにくくなる。
- 始動直後の増量ガソリンがエンジン内に残りにくくなる。
(キャブ車はチョーク・Fi車は電子管理)
- 結露水とオイルの混ざり白濁オイル原因の予防になる。
- 5年後10年後に大きなエンジン劣化差がでる。
- エンジン内消耗品・およびオイル交換頻度が下がりコストダウンになる。
実例:暖気の重要性についての注意!
※注意:ググれば出てきますが、暖機運転は必要派と無駄派に分かれますが、機械目線でいうとHONDAよりデータが出てるので特に冬場の暖気運転は重要な行為であり関係あります。(どちらを信じるかはお任せします)
※ですので基本的根本にアイドリング暖機運転は極論で考えず、「しないといけないか?」「しなくても良いか?」ではなく「した方が良いか?」「しない方が良いか?」で考えると分かりやすいです。
ちなみにビジネスバイクではないですが、教えて頂いたものでこんなのもあります↓
暖気不足での不具合で多いのが、2019年現在メーターにギヤポジションの表示が出るバイクが増えてますが、表示が挙動不審でおかしい、消える等の症状が出るというものがあります。
暖気不足から水分の結露、オイルの乳化によりマヨネーズのような物が生成されます。
これがNスイッチやポジションセンサーに付着することで通電不良や腐食を起こします。
近距離の通勤に大型バイクを使用する人要注意です。片道10分以内とか。
勿論、これが起こりやすいバイク、起きないバイクがありますが、実例では全国的にZX14Rはかなりの台数この現象が起きてます。
4stバイクにおいて、それくらい暖気が重要ということが言えるという実例です。
追記:2022年7月8日
ハンターカブ/CT125においての暖機運転および乗り方的に今回上述してきた原因乗り方をしてるとこうなりました。
というか声が上がりすぎて乗り方注意喚起情報がバイクショップからYOUTUBE上にでてます。
それでは何故なのかを見ていきます。
暖機運転:バルブクリアランスの関係性とオイル白濁化
HONDAさんはバルブクリアランス(タペットクリアランス)調整時とエンジンの暖まるまでのバルブクリアランスの変化を示した図をマニュアルで出しています。
暖機運転・または暖機運転後にエンジンからバルブステムのタペット音が聞こえた場合の注意点。
4st単気筒車の造り例ですが以下の通り。
バルブクリアランスと暖機時間の関係
※外気温「季節・地域差・排気量により時間(横軸)」は異なるので、記載無しとなります。
まずはバルブクリアランスと暖機時間の関係性ですが、
- 暖気が完了するまではバルブステム部(円形側)が急激に熱せられるので、熱膨張でバルブクリアランス(棒側・ロッカーアーム側)が伸びて狭くなります。
- 暖気が完了すると全ての金属部分が温められ安定します。
HONDAマニュアル参照:100cc例
(冬場や早朝の寒い時間帯はさらに①が鋭角になり②までの時間が長くなります。)
この時急激に温められた①時点でアクセルを全開にすると不完全燃焼を起こしてカーボンが溜まりやすくなります。
同時に急激に温められた温度差により結露が生じ、水分によりオイルが白濁化します。
加えて、始動直後の増量された(キャブの場合はチョーク)ガソリンがエンジン内に残ったり、結露した水がエンジン内オイルと混ざる事を防ぎます。
完全に安定するまでにはキャブ車であればチョークが閉じる時間以上最低でも30~60秒以上で金属安定化。大型車や車等がさらに時間が必要ですが、冬場は長い時間必要ですし完璧を待つなら5-10分とかする必要が有ります。(現実に出来る出来ないは別でデータ論です。)
適正クリアランスと暖機の関係|エンジン始動直後にエンストして暖まるとそのまま走れる原因と意味
次は適正クリアランスと暖機運転の関係性ですが、バルブクリアランスが適正でない場合何が起こるかです。
- バルブクリアランスが少なすぎる場合:
熱膨張で棒が伸びてクリアランスがなくなり、ステム側から圧縮漏れの原因になります。 - バルブクリアランスが多すぎる場合:
ロッカーアーム部とのカチカチ音が大きくなり、極端に大きすぎると、バルブタイミングが遅れたり、リフト量が少なくなりパワー不足になります。
※以下の図を見ると分かりやすいですが、寒い時期や早朝時間帯クリアランスが狭すぎの場合始動直後のエンストの原因にもなります。(この場合、暖まると普通にのれます)
HONDAマニュアル参照:
(冬場や早朝の寒い時間帯はさらに図の山谷部分が鋭角になります。)
メモ
こんな言葉があります。
某重工メーカーのサービス担当が言ってましたが、バルブリアランスは音が出ない範囲なら広い方が調子は良いそうです。
初期のNinja400R等でも2万㌔ぐらいで詰まってくるものがあって暖気走行中の信号エンストするもので対策調整してた時期があります。
つまり狭い位なら広い方が良いと言いう事です。
=しっかりとバルブが閉まる。逆に狭くし過ぎてバルブにスキマ出来るとすぐ圧縮もれします。
※もちろん適正が一番ですが。
ここまできてなるほど!理屈は分かったけどどうやって調整するの?
というのを見ていきます。
バルブクリアランス調整方法:
以下はHONDAトゥデイAF61の例ですが、バルブクリアランスの調整方法です。
狭すぎてもダメ、広すぎてもダメ、↓の例は広すぎる場合ロッカーアームにカチカチと当たり音がするのでそのバルブクリアランスの調整(タペットクリアランス調整)方法です。
チェック:タペットクリアランス調整
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バルブカーボン噛み予防できる添加剤
もう一つのバルブカーボン噛みの予防として添加剤があります。
ひろしバイクどっとこむではYAMAHAを使用してますがどちらでも構いません。
どちらの商品も効果はてきめんです。
安い方で構いません。
●YAMAHA:PEAカーボンクリーナー
ひろしぱぱはこちらを使用してます。
●ワコーズ:フューエルワン
絶大な人気を誇る商品です。
暖機運転と走り方・カーボン噛みとオイル白濁化についての動画
●今回の症状・原因・対策動画です。
●カーボン噛み対策前に既になってしまったよ~という場合はこちら