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久々のジャイロです。
何やら知り合いからジャイロアップが坂道を登らなくなったという連絡があり、見てもらえないかとの事。
まずは症状などを聞きました。
聞き取りでの症状
- ここ1か月くらいで急に坂道を登らなくなった
- 平地では50km出る
- エンジンはかかる
- 重い荷物を載せると平地も30kmちょいが限界
- メンテは1年位していない
以上の事から、平地での最高速は出てるので”トルク(パワー)が足りない”という事分かります。
キャブレターやエンジンも見ますが大まかには、プラグ消耗・マフラー(排気)系の漏れや詰まり、吸気不足などが原因かなと予想します。(もちろん外れもあります)
平地最高速では50km出てるので駆動系は直接の原因では無い事は分かります。
※ただしクラッチが滑ってパワー不足の可能性もありますし、ウェイトローラーの摩耗もあります。
今回の症状の場合は排気が怪しいですがせっかくなので。
順番に
- プラグ・イグニッションコイル点検
- エアフィルター交換
- [最候補★]マフラー清掃・交換
- クラッチ点検(ついでにウェイトローラー交換)
- キャブレターオーバーホール
- エンジンシリンダー・ピストン清掃
- 候補2★★予備:駆動系メンテ(ベルト伸び・WR✔・クラッチシュー摩耗)
これで直るかと思います。全部やんって。
2stバイクの良い所はシンプルがゆえに整備や修理が簡単な所です。
全部と言いながらトルクの場合候補はある程度しぼれるので順番にしていきます。(メンテナンスも兼ねて全てした方が良いのは一旦おいといて)
早速見ていってみます。
ジャイロUP(TA01)のメンテナンス|坂道対処
✔プラグ・イグニッションコイル点検
プラグとイグニッションコイルは基本中の基本です。
かならずチェックします。
プラグ
チェック:プラグ
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イグニッションコイル
チェック:イグニッションコイル
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✔エアーエレメント交換
これも基本中の基本です。必須。
汚れていると、エアー不足だけでなくキャブを詰まらせる一番の原因となります。
チェック:エアエレメント
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✔マフラー清掃
2stの場合、やっぱりマフラーか!!!という事が多々あります。
直接分かりにくいのが特徴で、調子良い時の排気感や音を肌で覚えておくことが大事です。
分かりにくい分、先に駆動系やエンジンに行きがちですがけっきょくこれか~い的な事がしょっちゅうあります。
トルクに関していえばほとんどここが原因パターン多発ではないでしょうか。(経験上)
チェック:マフラー
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結果:やはり今回はこの”排気”マフラー詰まり気味が主たる原因でした。
ただし結果的にここでしたがキャブレターOHなども一気にしてるので確定ではないですが排気圧を感覚で覚えておけば予想はつきます。
✔キャブレターOH[上記で直らなければ]
キャブレターのOHをします。
定期的な清掃や交換メンテナンスが必要です。
インジェクション車と違い簡単に調整出来るのも一つの良い所です。
チェック:キャブレター
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✔エンジンシリンダー・ピストン清掃[上記で直らなければ]
ここまで来れば最終みたいなものです。
シリンダーの傷・ピストンの焼け具合などをチェックして清掃で、もちろん必要あらば要交換です。
4stと違い、2stの場合非常に簡単です。
チェック:腰上エンジンOH
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復活★
と、今回はここまでの作業を一気にしました。
坂道のトルクが復活しました。
ついでに出だしからトルクもバリバリに復活です。
かれこれ30年前発売開始のビジネスバイクですがまだ現役です。
※ただしHONDA自身も部品が少なくなってきているので要注意です。
今回の原因は”マフラー詰まり”でした。
今回の一連の流れと実際に行った作業動画
今回の作業動画です。
一連の動画ですが、通常速度だと3時間越しとかなり長いため早送りしてます。
是非ほどほどに参考にしてみて下さい。
ジャイロキャノピーとジャイロXの方も是非ご参考頂ければ嬉しいです。