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トゥデイ [AF67]

【トゥデイAF67】腰上エンジンオーバーホール②-c|シリンダーヘッド編:【ステムシール交換】・【エンジンバルブ清掃交換/すり合わせ作業】

2020年2月13日

AF67のオーバーホール続きです。

今回は重要なシリンダーヘッドのオーバーホールです。

重要度No1と言っても良い位の腰上エンジンの重要整備”シリンダーヘッド”です。

この項目以外に注意がいるのが細かい部品に向きがある”組み立て時”ですので中途半端より最後まで見てみて下さい。

今回は組んだ状態でいうところのここです。

前回の続きです。

トゥデイAF67腰上エンジンOH

  1. エンジン腰上オーバーホール①|腰上エンジンバラシ
    一気にばらす。
    [エンジンヘッド→シリンダーヘッド→シリンダー(ピストンまで)]
  2. エンジン腰上オーバーホール②|各部位メンテ(奥から順に)
    【A】[ピストン清掃/交換/装着]
    【B】[シリンダーガスケット交換]・[シリンダー清掃/交換]・[シリンダーヘッドガスケット交換]
    【C】[エンジンバルブカーボン清掃/交換/擦り合わせ作業]・[バルブステムシール交換]※今回はココ
    【D】[カムシャフトホルダー・ロッカーアーム清掃/交換/装着]・タペットクリアランス調整
  3. エンジン腰上オーバーホール③|[まとめ]:

※部位整備して組み立てながらなので文字にすると多少前後しますが基本です。

 

シリンダーヘッドでする主要整備

  • エンジンバルブのカーボン除去/交換[※重要]
    症状:エンストの頻発時。・キックが軽く圧縮漏れ。(主にカーボン噛み)
  • ステムシール交換
    症状:急速でエンジンオイルが減る。(オイル下がり)

※重度でない限り通常は、”バルブが清掃(カーボン除去)”で”ステムシールが交換”です。(経験上)

 

シリンダーヘッド分解作業

シリンダーヘッドにはエンジンバルブとステムシールがあるのでこれらを外します。
バルブスプリングコンプレッサー”を使用して外します。

チェック:使い方

バルブスプリングコンプレッサーの使い方|エンジンバルブ清掃交換・ステムシールの交換工具

特殊工具にあたる、”バルブスプリングコンプレッサー”の使い方です。 絶対必要かと言われると絶対必要です。 ※バイクによっては”手の ...

続きを見る

 

上記工具でエンジンバルブ(吸気.排気共に)を引き抜いておきます。

 

並べて置くとこんな感じで上記作業が終わるとこうなります。

まだ裏側もありますので、部品を並べる為にもう少し頑張りますよ。
次はシリンダーをステムシール側にひっくり返します。

 

 

ステムシール交換作業

まずは、ステムシールの交換は簡単です。

 

ゴムの周りにクリップピンで締められていますが、普通このまま外します。
くの字型プライヤー”などで挟み込んでテコの原理でクイッと上へずらして外します。

 

ヌルっと外れます。

 

ステムシール”は穴が楕円形になってたりヘタっていたら新品に交換です。
※耐久年数10年と寿命の長い耐熱耐油ゴムですが、それでもゴムです。
いつかはヘタレますので特に穴が楕円形になっていたらアウトです。

 

※"シリンダーを洗浄"するので一旦はずしたまま作業を続けます。

さらに”シリンダーヘッドゴムガスケット”を外します。

 

このゴムガスケットにだけ”ラバープロテクタント(ゴム復活材)”を吹いておきます。
ゴムにはカーボン除去系をつけないよう注意(油分排出による収縮.劣化.固まりひび割れを早めます。)

 

さらに”バルブスプリングシール”を外します。(吸気排気両方)

これでシリンダーから”全ての部品”が外れました。
きちんと並べてみると以下の通りになります。

シリンダーヘッドの部品

  • 「エンジンバルブ」
    吸気:インレットバルブ大サイズ・排気エキゾーストバルブ小サイズ
  • 「バルブスプリング」
    取付時に天地向きが有るので注意。
    吸気側:短い / 排気側:長い
  • 他共通「バルブスプリングリテーナー」・「バルブコッター」「バルブスプリングシール」「ステムシール」「シリンダーヘッドゴムガスケット」「シリンダーヘッド本体」が並んでいます。

全ての部品を分解したら次は清掃です。

 

 

シリンダーヘッド清掃作業

そしたらようやく”シリンダーヘッド”の洗浄です。

ひろしぱぱの個人的どぶ漬け

これは私だけかもしれませんが、サンエスKみたいな溶剤にシリンダーごと全てをどぼんと漬けたら外側だけアルミサビ腐食しませんか?私はなります。

なので、ゴリゴリに”カーボンの溜まる排気側バルブ穴”だけ裏面をシールして。
(もちろん完全密封は無理です)

 

中覗くとわかりますが”吸気側(大きい方)はガソリンが常にくるので通り道は綺麗”ですので。

 

吸気側はバルブヘッド側からゴム栓をします。

 

最後にプラグしっかり締めて、プラグ穴を詰めて。

 

マフラー結合穴を上に傾けてバルブヘッド側からエンジンコンディショナー漬けをします。
しますというか、私はしてますというだけで綺麗になれば何でも良いです。

 

これで放置して1日後。
ワコーズRMVも使用したのでこんな状態に。

 

ホールブラシ”と”パーツクリーナー”で洗い直します。

 

ヘドロカーボンがごっそり。

 

穴という穴は全てパーツクリーナーでケチらずジャンジャンジャン洗浄して、バルブの入り口部の金色の"バルブシール部"だけは特に傷つけないように注意。

 

しっかり確認

  • 吸気側:インテークマニホールドの流れの穴
  • 排気側:マフラーポートの流れの穴
  • ※バルブシール部のチェック✔

これでシリンダー自体の清掃も完了です。

 

 

エンジンバルブについて

エンジンバルブは”清掃”か”交換”。

エンジンバルブ清掃する場合

エンジンコンディショナーなどで、大事なバルブの洗浄をしていきます。

 

どぶ漬けします。無駄のない容器は”ペットボトルの蓋”です。

 

エンジンコンディショナーをぶち込んで一日置きます。
途中たまにナイロンブラシで磨きます。

 

こんな感じになりました。
汚れはともかくですが”バルブフェース”・”バルブマージン”は大きな削れも無く生きてます。
バルブフェース”部分が著しく消耗してる場合は必ず新品交換です。

 

 

エンジンバルブすり合わせ作業

※ステムが削れていたり、フェースがゆがんでいる、ヘッドのマージン幅が削れてない場合は交換です。(そこまでの場合は、バルブシールのあるシリンダーヘッドも交換)

バルブ側:

 

シリンダーヘッド側:

上記のバルブフェースとバルブシール部が綺麗に合致するようにすり合わせます。

 

 

バルブすり合わせ作業

交換する際は”すり合わせ”作業をします。
必要なのは”タコ棒”と”コンパウンド(細目)”。

 

意外に削れていくバルブフェース部分なので細目を時間かけてじっくりするのが定番です。
コンパウンドを”バルブフェースのみ”に薄っすらと伸ばして塗ります。

 

バルブヘッドにタコ棒を吸盤で引っ付けて、コンパウンドをフェースに薄っすら塗り、カム山が回ってることをイメージしながら”リズムに乗って”タンタターンとシリンダーのバルブシールとの当たりをタンタンと繰り返します。

 

0.01mmとかの研磨の世界なのでイメージ勝負となりますが、”コンパウンド(研磨材)”を使用するので当然あからさまに変わるのが色です。
新品擦り合わせの場合は分かりにくいですが再利用の場合はあからさまです。

 

シリンダーヘッド側の”バルブシート”にも”エンジンバルブ側バルブフェース”にも大きな傷・ゆがみなどがあれば研磨するか要交換となります。
トゥデイのような原付バイクの場合は、そこまで神経質になり過ぎる必要はありません。

バルブシートにもバルブフェースにも当たりが出てる事を確認して完了です。
当たりは面の出しは、しっかり噛みあうので”バルブフェース上と下”にくっきりと線が出て段差を見る事で確認できます。

 

 

シリンダーヘッドの組み立て【重要】

取外しの逆手順で油断は禁止だけです。
各部品を忘れないように。

順番あります。

バルブスプリングシール”を入れる。

 

ステムシール”をはめ込む。(新品を指で押し込む)

 

ひっくり返して”エンジンバルブ”を差し込む。

 

バルブスプリング”を被せる。
※「重要」”排気が長い”ほうです。
※「重要」”下”がバネ密度が高い。


 

バルブスプリングリテーナー”を被せる。

 

バルブスプリングコンプレッサーでスプリングを縮めて、”バルブコッター”をハメる。
※バルブコッターハメでイライラしない方法は最後の動画で紹介してます。

 

シリンダーヘッドゴムガスケット”を向きに注意して溝へはめ込む。
※”EX排気”と”IN吸気”ゴムに刻印あり

 

ついでに”インテークマニホールド”入れてナット仮止めして完了。

 

 

シリンダーヘッドを車体へ取付け

あとは車体へ取付です。
今”シリンダー”まで入って、”ピストンヘッド”と”シリンダーヘッドガスケット(アルミ黒)”が見えています。

 

チェーンを引き抜きながら奥までしっかり差し込む。
(※チェーンガイド[オレンジの棒]がシリンダーの””から抜けないように。)

 

シリンダーヘッドの装着完了です。”ブッシュピンは上の2つだけ”です。

ポイント

※タイミングはいつでも良いですが4本のボルトを指で必ず締めておいて下さい。
抜いて作業する人は忘れませんが、どれかだけ多緩みの場合最後のナットトルクが狂う場合もあります。

 

最後左下に回り込んで、カプラーを装着。

 

 

シリンダーヘッド[エンジンバルブ][ステムシール]清掃・交換に必要な部品・工具類

部品が前期と後期で異なる事がありますのでご注意下さい。「AF67前期車体番号:100***~120***代・それ以外:後期」。
私のは前期です。

部品類:

●エンジンバルブ

【吸気】インレットバルブ

純正番号:14711-GFC-900

ホンダ純正 バルブ インレット 14711-GFC-900

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【排気】エキゾーストバルブ

純正番号:14721-GFC-900

ホンダ純正 バルブ エキゾースト 14721-GFC-900

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●バルブスプリング

【吸気】インレット側

純正番号:14751-GFC-900

 

【排気】エキゾースト側

純正番号:14752-GFC-770

 

バルブスプリングシート

純正番号:14775-GFC-900

 

バルブスプリングリテーナー(バネ受け)

純正番号:14771-KN6-960

 

●バルブコッター

純正番号:14781-MA6-000

 

●ステムシール

純正番号:12209-GFC-890

ホンダ純正 シール バルブステイ (アライ) 12209-GFC-890

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工具類:

●バルブスプリングコンプレッサー|バルブコンプレッサー

何にせよこれが必要です。専門工具にあたります。
トゥデイのバルブスプリング”程度なら頑張れば手の力でバルブコッターは落とせますが通常必須。

バルブスプリングコンプレッサーセット/メンテナンス

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●エンジンコンディショナー

この辺の清掃では、パーツクリーナーは揮発性が高いので単体での使用は普通しません。
カーボン除去の強い味方、安価でなかなかの強力な除去が可能で、泡タイプで漬け置きにも向いてます。
※エンジンコンディショナーを洗い流すのにパーツクリーナーを使用します。

 

●ホールブラシ

これも必ず要りますが、アルミに対してはナイロンタイプの物が良いです。マフラーの中などスチールに対しては金属タイプが良いです。

 

●ステンレストレー

パーツ毎に仕分けしておくのに便利。一回購入すれば物理的損傷が無い限り永久に使用できます。これ安いのでおすすめですね。2セット買っちゃいました。

 

すり合わせ作業をする場合

●タコ棒|バルブラッパー

(STRAIGHT/ストレート) タコ棒 セット 19-9914

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●バルブコンパウンド(細目)

キジマ(Kijima) バルブコンパウンド(細目) 302-711

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トゥデイAF67】腰上エンジンオーバーホール②-c|作業動画

シリンダーヘッドのオーバーホール作業動画です。
シリンダーヘッド分解方法・カーボン除去洗浄・バルブ擦り合わせ作業・ステムシール交換・組み方動画です。

 

超重要箇所です。
時間をかけて慌てずじっくりとしたいところですね^^
ひろし整備人
ひろし整備人

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