今回は症状別パターンの修理です。
車両はジャイロアップです。
連絡をもらってジャイロアップが”エンジンはかかるのに全く前に進まない”ということです。
押してくるにもジャイロは普通の原付の倍は重たいので引取りに行ってあげました。
症 状
- エンジンはかかる。
- スロットル開けても吹けるだけで前にすすまない。
- 直前まで走っていて急に進まなくなった。
まとめていくと。
考えられる原因
- エンジンはかかるのに進まないので、吸排気~シリンダー系は除いて、「スロットルワイヤー不備」or「駆動系」くらいしか考えれませんがベルトの切れた音は記憶にないとの事。
流石にこれはベルト切れかウェイトローラーが粉々になった位しか考えれないので断定作業でいきます。
ベルトは切れた音は聞き逃したと判断。
ベルト切れの場合、あんまり吹かしていると変にベルトの切れ端が食い込んだりすることもあるので触らずに置いといて~と引き上げてきました。
ジャイロアップの駆動系修理メンテナンス方法
一般的な二輪車両なら簡単な作業も三輪でも特殊フレームの為、”ジャイロアップのみ”は大変です。
何が大変って駆動系に到達するまでの工程が長いからです。
ジャイロキャノピーとジャイロXは簡単です。
既にアップしてるのでこちらをご覧ください。
チェック:ジャイロUPの駆動系
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【ジャイロUP】左クランクケース(ベルトケース)の開け方|特殊フレームバイクのエンジンフレームのずらし方
この工程は、HONDAジャイロUPの「プーリーウェイトローラー交換・ドライブベルト交換・クラッチシュー交換」など駆動系消耗品を交換 ...
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今回は腰痛の為、楽するためにホイストクレーンを使用しましたが、以下の状態になればOKです。
ベルト交換及び駆動系メンテナンス
案の定ベルトが切れてました。プーリー側のドライブフェイスを外して。
プーリー(左)側:グルングルンに巻き込んでるのが分かります。
クラッチ(右)側:下の方にベルトの砕けた部分が粉々になってあるのが分かります。
何の変哲もない普通のベルト切れですが、プーリーを外してウェイトローラーを見ると「スライドピース」と「ウェイトローラー」が砕けに砕けていました。
ベルトは切れるとま~毎回こんなものです。
しかしウェイトローラーとスライドピースはここまで粉々になったのは経験上初めてです。
ということで「スライドピース」・「ウェイトローラー」・「ドライブベルト」の3つをしっかりと交換して作業は完了です。
※ちなみに昔、疑問に思ったことがあって、これなくても走るんじゃない?と思ったことがありますが、スライドピースとウェイトローラーが無いとバイクは走りません。
細かい交換方法はこちら。
スライドピース・ウェイトローラー交換方法
チェック:ウェイトローラー交換
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ドライブベルト交換方法
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エンジンはかかっていて動力が伝わってないだけでしたので、もちろんこれでブインブイン走るようになりました。
ジャイロアップの駆動系修理メンテナンス作業動画
前回細かい作業はあげているので、今回は作業を要点早送りしてます。
吊りに関しては”電動ホイストクレーン”を使用してます。
ジャッキ2つでも出来ます。