ヤマハギア [UA06J]

【YAMAHAギア】腰下エンジンクランク割り・バラシ方|クランクシャフト・クランクベアリング・オイルポンプ

2021年9月24日

今日はヤマハGEARの腰下エンジンのクランク割り作業です。

ホンダ車と異なり、右クランク側にセルなどもあるためかなり部品点数が多いのですがその作業です。

前準備忘れないように!

腰上を外したこの状態までしてからの、腰下エンジン早速作業開始です。

YAMAHA車とHONDA車の違いとして、部品工程数が多いです。

 

腰下割り手順

多少順序不同ですがなるべく頻繁に左右回り込まなくて良いように考えてみました。

エンジン右側:

1・19mmでドレンボルトを外しエンジンオイルを抜く。

2・リアフェンダーを外す。

 

3・ユニバーサルホルダーで固定して、フライホイールナットを17mmで外す。

4・スライドプーラーで、フライホイールを外す。(HONDA用のホイールねじ込み式は使用不可)

 

5・右クランクカバー内のボルトを8mmで10個外す。

6・スクリューを外し、クランクパルスジェネレータを外す。

注意ポイント

※ここのボルトは長さが異なりますので分からなくならないように注意![※動画参照]

 

7・六角レンチを使用して、六角穴付きボルトを外してステータコイルを外す。

8・右クランクカバー外側のボルト(左右クランク固定ボルト)を8mmで外す。

 

 

エンジン左側:

1・エアクリーナーBOX固定ボルトを10mmで外す。これでスロットルボディ含む全て外せます。

シャフトとスプリングを外して、センタースタンド+タイヤを外す。この2つは傾きの関係で同時にします。

 

8mmで駆動系左クランクケースカバーを開ける。

17mmでプーリー側ナットを外して一式外す。

 

 

※上部:クランクカラーシャフトに注意

ポイント

このクランクカラーシャフトのせいで非常に戸惑いました。
仕組みと理屈は判りにくいので動画参照願います。

クランクカラーシャフトのスナップリングを抜いておく。(場合によっては曲がるので外しておく。)

※注意!このカラーシャフトは横から抜けませんでした。(正規マニュアルにもクランク割りが先との事です。)

 

片方外しにくいですが、六角穴付きボルトを2つ外す。

セルモーターを引き抜きます。

 

 

クランクシャフト|左・右クランク割り

ここまできたらいよいよエンジンクランクを割っていきます。
ヤマハギアはスターター装置関係が駆動系側では無くフライホイール側にありますので、ここから部品ラッシュとなりますので、取り外した後の置き方・保管方法などもお気をつけ下さい。

1・まずは右クランクケースカバーを外す。

2・29mmディープソケットでクランクナットを外す。

注意ポイント

クランクナットに関しては【時計回りが緩む】逆ネジになってますので重々注意!

 

3・ワッシャーを外す。

4・スターターホイールを外す。

 

5・ローラーベアリングを外す。

6・スターターカラーを外す。

 

7・スタータークラッチを外す。

8・シャフト側のオイルポンプギアを外す。

 

9・セルモーターの受けギアを外す。

10・オイルポンプをネジ2つ外して引き抜く。

 

11・左右クランク合わせ固定ボルトを8mmで外す。

12・ロックナット2つを外しておく。(ベアリングカバー用)

 

ここまでの外した部品を見ていくと合計14点。

 

クランクを割っていきますが、このYAMAHA車の造りが堅牢であるが故大変です。
どういう事かというと、カラーシャフトとクランクシャフトを同時に抜くイメージでケースを割っていきます。

 

結果的に私は、上部カラーシャフトに「パンダジャッキ」クランクシャフトに「ケースプーラー」これの同時併用で一発で抜けました。
※何があろうが自己責任。(全てですが)

 

いきなり思い切り開かないように、カムチェーンをクランクシャフトのギアから外してゆっくり開きます。

 

最初に駆動系側左クランクケース側からケースプーラー使用した場合、これだけでクランクシャフトも抜けます。

 

最後は左クランクケースのシール外しと、プレス機・内掛け式ベアリングプーラー等でR(右)クランクケース内のクランクベアリングを引っこ抜いて完了。
※L(左)側であるクランクシャフトに圧入されてるベアリングは私の工具では抜取り不可能でしたのでASSYでの交換(←これが普通です)。

 

順番に並べるとこうなります。

 

腰上と腰下までばらせばバイクエンジンとしては全てばらしたのと同じです。
奥:腰上エンジン・手前:腰下エンジンクランク内。

 

 

YAMAHAギア腰下クランク割りに必要な工具・部品類

部品がありすぎますので、主な交換部品を挙げます。
今回の車体はUA06J[BX50]タイプですのでご注意下さい。

部品類:

●クランクシャフトASSY(+Lクランクベアリング)

純正番号:10B-E1400-00

 

 

●Rクランクベアリング

純正番号:93306-205XP

 

 

●Lクランクオイルシール

純正番号:93102-19804

 

 

●オイルポンプ

純正番号:5ST-E3300-00

 

 

 

工具類:

●ユニバーサルホルダー|汎用

当ブログも良く出てきますがこいつは駆動系から電装系・エンジン系までいたるところで活用します。
今回の作業では3か所で必要です。

 

●スナップリングプライヤー|※握ると開くタイプ

車屋さんも使用する高精度テーパードスナップリングプライヤーです。
今回必要なのは開くタイプの方です。(お間違え無くですが閉じるタイプも必要ですけどね。)

 

●KTC-SPC5|スナップリングプライヤ先端クローセット

先のアタッチメントが細タイプから太タイプからベンダータイプまで揃っていて本体とこれをもっていれば何でも対応可能。
KTC製ですがフジ矢スナップリングプライヤー対応。

 

●プレート式プーラー

YAMAHAギアはフライホイール外す時に、HONDAのねじ込み式アダプタが使えませんのでプレート式プーラーが必要です。
※注意:50ccはフライホイールのサイズが小さいので中華の大きいサイズだとかなりの削り加工が必要な場合有るので、この中心近くまで穴があるタイプでないと無理ですのでご注意下さい!

 

●クランクケースセパレータ(ケースプーラー)

シャフトなどを支点として切り離すタイプ。応用次第ではフライホイール(小さいサイズは不可)や、ベアリング等もアイディア次第で押し出し可能です。
いずれにせよクランク割りで必要です。

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●ベアリングレースシールドライバー

シール交換やベアリング交換の必須品です。まず壊れる事はありませんが、一応何かあった時の為にアルミ製で負けるように出来てますので変形や破損したら交換して下さい。

 

●プレス機|ベアリング抜きおよび圧入

私がしょっちゅう使用するのがこれ。貫通しているケースの場合ほぼすべてのプーラーの代わりとなります。
もちろん押出しだけではなく、圧入にも使用します。

 

 

YAMAHAギア腰下クランク割り作業動画

今回の作業動画です。
プレート式プーラーの注文が時間かかるという事で急遽自作してますのでその動画も入ってます。

 

今回は①バラシ方編でしたので、次回は②組み方編です。

 

動画内でも言ってますが今回はアクシデントだらけでした(笑)。
ひろし整備人

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